残業+パワハラでうつ病→障害年金月7万円で暮らす59歳・独身男性の絶望…同居する年金月13万円・88歳母の“異変”に思わず「もう、なにも考えられない」【FPの助言】

残業+パワハラでうつ病→障害年金月7万円で暮らす59歳・独身男性の絶望…同居する年金月13万円・88歳母の“異変”に思わず「もう、なにも考えられない」【FPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

お金や健康、離婚など、さまざまな事情から高齢の親と実家で同居するミドル・シニア世帯は少なくありません。そのような環境で無策のままいると、将来「破産の危機」に陥ってしまうため注意が必要です。最悪の事態を避けるべく、高齢の親をもつミドル・シニア世代がすぐに実践したい対策について、具体的な事例をもとにみていきましょう。株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也FPが解説します。

上司のパワハラでうつ病に…早期退職を決断したAさん

現在無職のAさん(59歳)は、数年前までバリバリ働く会社員でした。しかし、残業続きの日々のなかで上司のパワハラに苦しみ、また同僚との人間関係も築けていなかったAさんは、数年前に精神疾患(うつ病)を患ってしまったそうです。

 

仕事を続けることが困難になったAさんは、自身の年齢も鑑み、定年を迎える前に退職することに。それ以降は、月7万円ほどの障害年金を受け取りながら実家で生活しています。

 

また、父親は10年ほど前にガンで亡くなっており、Aさんは88歳になる母親と2人暮らしです。母親は父の遺産と遺族年金で暮らしており、Aさんが退職してからもしばらくは金銭的に不自由ない生活を送っていました。

 

しかし……。そんな母親に、だんだんと異変が起こります。

 

母親に現れた「認知症」の症状…途方に暮れるAさん

テレビのリモコンや財布を探し回ることが増え、スーパーへ行っても毎回買っているおなじみの商品を買い忘れたり、ゴミ出しを忘れたりするようになりました。

 

最初は「年のせいかもの忘れがひどくなったな」程度に思っていたAさんでしたが、いつの間にか朝晩の着替えも忘れ、何日も同じ服を着ています。

 

心配になったAさんが病院へ連れて行ったところ、悪い予感が当たり、Aさんは「初期の認知症」であると診断されました。

 

家事はすべて母親任せで、これまでの人生で料理や掃除などほとんどしてこなかったAさん。生活費も母親がほとんどを負担してくれています。

 

「まずい、これからどうすれば……」途方に暮れたAさんは、会社員時代に知り合ったファイナンシャルプランナーである筆者のことを思い出し、相談することにしました。

 

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※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

〈出典・参照〉
■厚生労働省「自殺・うつ病等対策プロジェクトチームとりまとめについて」(https://www.mhlw.go.jp/seisaku/2010/07/03.html)
■厚生労働省「参考資料」(精神疾患を有する総患者数の推移(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000940708.pdf)
■内閣府「令和6年度版高齢社会白書 3.家族と世帯」(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/zenbun/pdf/1s1s_03.pdf )
■内閣府「令和6年版高齢社会白書 2.健康・福祉」(https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/zenbun/pdf/1s2s_02.pdf)

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