上司のパワハラでうつ病に…早期退職を決断したAさん
現在無職のAさん(59歳)は、数年前までバリバリ働く会社員でした。しかし、残業続きの日々のなかで上司のパワハラに苦しみ、また同僚との人間関係も築けていなかったAさんは、数年前に精神疾患(うつ病)を患ってしまったそうです。
仕事を続けることが困難になったAさんは、自身の年齢も鑑み、定年を迎える前に退職することに。それ以降は、月7万円ほどの障害年金を受け取りながら実家で生活しています。
また、父親は10年ほど前にガンで亡くなっており、Aさんは88歳になる母親と2人暮らしです。母親は父の遺産と遺族年金で暮らしており、Aさんが退職してからもしばらくは金銭的に不自由ない生活を送っていました。
しかし……。そんな母親に、だんだんと異変が起こります。
母親に現れた「認知症」の症状…途方に暮れるAさん
テレビのリモコンや財布を探し回ることが増え、スーパーへ行っても毎回買っているおなじみの商品を買い忘れたり、ゴミ出しを忘れたりするようになりました。
最初は「年のせいかもの忘れがひどくなったな」程度に思っていたAさんでしたが、いつの間にか朝晩の着替えも忘れ、何日も同じ服を着ています。
心配になったAさんが病院へ連れて行ったところ、悪い予感が当たり、Aさんは「初期の認知症」であると診断されました。
家事はすべて母親任せで、これまでの人生で料理や掃除などほとんどしてこなかったAさん。生活費も母親がほとんどを負担してくれています。
「まずい、これからどうすれば……」途方に暮れたAさんは、会社員時代に知り合ったファイナンシャルプランナーである筆者のことを思い出し、相談することにしました。
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