NISA口座開設理由、部門間で違いはあるものの「開設が簡単」が共通項
NISA口座開設の理由を部門ごとに見ると、その理由に違いがあることが確認された。トップの理由として、全国系銀行部門では「その金融機関の窓口/担当者の勧め」が、対面証券部門においては「NISA口座の開設が簡単」が、ネット証券部門においては「NISA口座での取引手数料が安い」が挙がっている。
また、「NISA口座の開設が簡単」が、前年に引き続き、すべての部門において上位に挙がっている。NISA口座は、1人1社という制限はあるものの、さまざまな金融機関で開設・運用をすることができるため、金融機関においては顧客が容易にNISA口座を開設できるような取り組みを行うことは共通して重要な要素であると言える。
J.D. パワー グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門
常務執行役員 梅澤希一のコメント
「今回の調査で、新NISA制度移行後も同じ金融機関での利用を続けたいという意向が9割超と非常に高い割合となったことは、金融機関のNISAに取り組む戦略を考えるうえで非常に重要である。
これはNISAで最初のアカウントであるファーストアカウントを獲得することが今後の継続的な取引関係を決定づける可能性が高く、足許でのNISA口座獲得の取り組みが致命的に重要であることを示唆している。
特に、運用期間の長さを考えれば若年層の取り込みが重要であり、クレジットカードのファーストカードのように、NISAのファーストアカウントにおいても若年層のニーズを踏まえた戦略の構築が求められる。
NISA口座の開設理由を年代別に見ると「NISAに関するキャンペーン・優遇制度が充実している」、「NISAに関する情報が充実している」、「NISAに関する広告・宣伝がよい」、「NISAに関するインターネットでの評判がよい(ブログ・掲示板・SNS等)」といった理由が、いずれの部門においても若年層ほど高くなっていることが確認される。
このため、長期的な取引を見込める若年層を取り込むためには、容易に口座開設ができるスキーム構築に加え、NISAに関するキャンペーンなどの情報発信、またWebを始めとしたマーケティング施策の高度化が有効であると言える。」