リクルートも採用している、全社員対象の“提案制度”…「新規事業に結びつく企業」と「単なるイベントで終わる企業」の決定的な差【経営コンサルが解説】

リクルートも採用している、全社員対象の“提案制度”…「新規事業に結びつく企業」と「単なるイベントで終わる企業」の決定的な差【経営コンサルが解説】

新規事業開発はどのように進めればよいのでしょうか。新規事業開発の進め方は、会社によって大きく3タイプにわけられるそうで……。本記事では、中野正也氏の著書『成功率を高める新規事業のつくり方』(ごきげんビジネス出版)より一部を抜粋・再編集し、自社に合った新規事業開発の進め方を紐解いていきます。

1.「経営者が率先して進める」タイプ

まずは「経営者が率先して進める」タイプの新規事業です。従業員数が数10名程度以下の小規模な企業がおこなう新規事業は、ほとんどがこのタイプに該当するといってもいいと思います。なぜなら、経営の機能が経営者に集中しているからです。まれに大きい規模の企業でも、経営者の思い入れなどから取り組むことも見られます。

 

この場合の新規事業テーマは、業界誌や講演会、知人との会話などのなかから、経営者のアンテナにひっかかった事業や、同業他社が手掛けてうまくいっている事業などをヒントにして、経営者の思い入れにより選ばれることがあります。

 

思い入れとはいえ、経営者はあたまのなかでは常に次の事業機会を探しているものです。そのことからすれば、日ごろから新規事業のテーマについて考え、さまざまな候補のなかから確度の高いテーマを選定するプロセスを、あたまのなかでおこなっているのかもしれません。

 

小規模な企業では、企業の経営の安定や規模拡大のために、新規事業は有効です。もちろん、失敗するとダメージが大きい、といったリスクがあります。そのため確度の高い事業を求める傾向が高いといえます。

 

このタイプで取り組まれる新規事業は、比較的シンプルで取り組みやすい事業や、既存事業の活動と重なる部分がある事業です。具体的にはさまざまなものがあり、一例として次のようなものが挙げられます。

 

・コンビニの経営者が隣接する敷地を利用して、コインランドリーを運営する。
・居酒屋が同じ店舗を使い、テイクアウトの弁当販売をする。
・レストランが移動販売車を使い、イベント会場やオフィス街で自慢の料理を販売する。
・ラーメン店が店舗で評判の餃子を冷凍用にして、冷凍自販機で販売する。
・旅館が食堂を活用し、観光客向けにランチの営業をはじめる。
・農業事業者や食品加工事業者などが従来の農協や卸売事業者を通じた販売だけでなく、直売やネット販売などにより消費者へ直接販売する。
・魚の卸売事業者が煮魚などの加工食品の製造販売をはじめる。
・貸しビル業を経営する事業者が一部の空きスペースを活用し、リモートワークスペースを提供する。
・金属部品加工事業者が顧客の引合いに対応して、新たな金属部品の加工や、組み立て部品の製造に事業を広げる。

 

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※本連載は、中野正也氏の著書『成功率を高める新規事業のつくり方』(ごきげんビジネス出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

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