定年退職後は「可能な限り就労を継続」+「生活を見直す」
定年退職、おめでとうございます。そして、おつかれさまでした。あとは悠々自適でのんびりお過ごし下さい――と、いいたいところですが、あなたが「サザエさん」の父・波平氏より元気なら、ぜひともお伝えしたいことがあります。
まず、引き続き働くことを考えましょう。
就労は、老後資金が稼げることに加え、ボケ防止にもなりますし、社会との接点を保つことは精神衛生にもよいでしょう。このあたりについては拙稿『「老後資金がほしかった…」危険な投資に手を出す高齢者たち、ほかに手立てはないものか?』をあわせてご参照いただければ幸いです。
それから、生活を見直しましょう。
たとえば、生命保険は不要ですね。すでに退職金を受け取っているので、あなたに万が一のことがあっても遺族が路頭に迷うことはないでしょうから。子どもたちが独立して子供部屋が不要になったなら、郊外の広い家から駅前の小さなマンションに引っ越し、車を手放すというのも選択肢でしょう。このあたりについては、拙稿『収入は上がらなくても…「節約の日々」から脱する〈生活の見直しポイント〉6つ』をあわせてご参照いただければ幸いです。
老後の柱はやっぱり「公的年金」…プチ贅沢は老後資金で
サラリーマンは公的年金が充実しています。標準的なサラリーマンと専業主婦の夫婦は、65歳以降、毎月23万円程度の年金が受け取れますから、最低限の生活は可能でしょう。これは、どれだけ長生きしても受け取れますし、インフレが来れば原則としてその分だけ受取額が増えますから、老後資金の最重要の柱です。
要検討なのは、年金の受け取り開始時期を遅らせることです。年金は普通は65歳からの受け取りですが、たとえば70歳まで待ってから受け取れば、毎月の受取額が42%増えるので、老後の安心感が格段に増します。70歳まで働いて生活費が稼げればいいですが、足りない分は老後資金を取り崩しながら生活する、というのも選択肢でしょう。
あとは、蓄えた老後資金を少しずつ取り崩して、ささやかな贅沢を楽しめばよいのです。もっとも、万が一に備えて数百万円は残しておき、なにもなければ葬儀費用として遺族に託しましょう。