(※写真はイメージです/PIXTA)

なかなか給料は上がらないのに、物価は上昇…。日常の買い物はもちろん、日常の電気・ガス・水道の使用にまで「倹約」の文字がちらつきます。そんなケチケチ暮らしにウンザリしている人も多いでしょう。しかし、「当たり前」と思っていた支出を根本的な視点から見直すと、想像以上のゆとりができるかもしれません。経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

倹約より先にやるべきは「根本的な生活の見直し」

老後資金が足りないと感じて、投資をしようと思い立つ人も多いでしょうが、リスクをとって投資をする前に、働いて稼いだり、生活を見直して出費を抑えたりする方が安全です。

 

働いて稼ぐ話は前回の拙稿『「老後資金がほしかった…」危険な投資に手を出す高齢者たち、ほかに手立てはないのか?』で記しましたので、今回は生活を見直そうという話です。生活を見直して出費を抑えるというと〈ケチケチ暮らす〉というイメージですが、本稿はそうではなく、比較的大きな出費項目のなかで、とくに疑問を持たずに払っているものを見直してみよう、という話です。

①保険:本当に必要なものとそれ以外を区別

まずは保険です。日本人は保険が大好きで、加入すると安心だからということで多数の保険に加入して、保険会社に多額の保険料を払っている人も多いのですが、本当に必要な保険とそれ以外を区別しましょう。

 

保険は、客が払った保険料より客が受け取る保険金の方が少ないので、確率的に見れば客が損をする取引なのです。その差額は保険会社の諸費用等になっているわけですから。

 

もちろん、確率的に損だとわかっていても絶対に加入すべき保険はあります。保険に加入しないと悲惨な目に遭う可能性がある場合です。自分が加入している保険について、本当に必要か否か、一度しっかり考えてみましょう。

 

たとえば自動車を運転する時に保険に加入していないと、万が一の時に巨額の損害賠償を求められて払えないでしょうから、自分も破産しますし、被害者にも大変迷惑です。車を運転するときは絶対に保険に加入しましょう。

 

専業主婦(夫)と乳飲み子を養っている一家の大黒柱は、生命保険に加入する必要があります。自分に万が一の事があったら、遺された家族が路頭に迷ってしまいかねませんから。

 

しかし、定年退職した人には生命保険は不要です。本人に万が一のことがあっても、配偶者が悲しむだけで、生活には困らないからです。退職金も出ているでしょうし、遺族年金も受け取れるかもしれませんから。

 

新入社員も同様です。「一人前の社会人になったのだから、生命保険くらいは加入しないと」といった勧誘が行われているという話も聞きますが、一人前の社会人だと保険に加入する必要がある、ということはありません。新入社員に万が一のことがあっても、遺された人が悲しむだけで、生活費が払えずに路頭に迷ったりしないでしょう。

 

火災保険は、通常は必要ですが、親から相続した古家がある場合などには、万が一の場合にそちらに引っ越すという選択肢も考えてみたうえで、それが難しければ火災保険に加入する、ということだと思います。

 

なお、保険の必要がないことに気づいても、「解約すると損だから、解約したくない」という場合もあるでしょう。その場合には、「支払い済みの保険料は満期まで返してくれなくていいが、今後の保険料支払いは行わない」ということで保険会社と相談してみましょう。

②自動車:可能なら手放し、公共交通機関を活用

自動車は必要でしょうか。自動車の維持費は相当高いので、可能であれば自動車を手放しましょう。田舎暮らしだと難しいでしょうが、都会暮らしであれば、公共交通機関を使えばいいのですから。

 

ちなみに筆者は自動車を手放しました。相当贅沢にタクシーに乗っていますが、それでも自動車の維持費や買い替え費用等を考えれば安いと思います。駅まで歩くことで健康が維持できるので、スポーツジムに通う費用も不要になりました(笑)。

 

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