だれもが持つ「老後資金不足への不安」だが…「怖がるだけの人」が陥りかねない、さらに過酷な未来とは【経済評論家が助言】

だれもが持つ「老後資金不足への不安」だが…「怖がるだけの人」が陥りかねない、さらに過酷な未来とは【経済評論家が助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

多くの人が抱えている、老後資金の不安。しかし、実際に将来のお金を計算してみると、杞憂だったり、大きな問題ではなかったり、いまから対策すれば間に合うものだったりします。しかし、不安がるだけで対策に動かない人の場合、マスコミの情報に踊らされたり、悪い人に付け込まれたりして、さらなるリスクを招きかねません。経済評論家の塚崎公義氏がアドバイスします。

「自分の老後資金、足りないのでは…?」と思ったときの対処法

「自分の老後資金、足りないのでは…?」

 

そんな漠然とした不安を抱えている人は多いようです。そういう人は、まず、自分が将来受け取れる公的年金や退職金などの金額を調べてみましょう。それを、老後に必要となる生活費と比べてみましょう。

 

その結果、「それほど心配ない」ということなら、不安が解消できるでしょう。「ある程度努力すればなんとかなりそうだ」ということなら、不安に怯えている代わりに、どのような努力をすればいいかを具体的に考えればいいでしょう。「相当厳しい状況にある」という場合には、早めにファイナンシャルプランナーに相談するとか、行政の支援について調べてみる、といった対策が必要かもしれませんね。

普通の人の老後資金は、なんとかなる

サラリーマン(男女を問わず、公務員等を含む。以下同様)は、公的年金が充実しています。40年間標準的なサラリーマンとして働いた人は、専業主婦(夫)との合計で老後は毎月23万円ほどの年金が受け取れます。それなら、贅沢をしなければなんとかなりそうです。

 

年金だけでは老後資金が2,000万円不足する、といった報道が数年前に話題となりましたが、それは誤解です。「平均的な高齢者は、老後の蓄えを取り崩してささやかな贅沢を楽しんでいるので、老後資金は公的年金より2,000万円多い」というだけのことなので、老後の蓄えがない人は、ささやかな贅沢を諦めれば生活に困ることはない、というわけです。

 

自営業者の公的年金は、サラリーマンと比べると見劣りしますが、一方で、定年がないため、元気な間は現役として稼ぎ続けることができます。サラリーマンが定年後再雇用などで収入が激減しかねないのと比べると、大きな安心材料といえるでしょう。

 

もっとも、体が弱くて十分に稼げない人や、就職氷河期に正社員になれずにアルバイトで生計を立てている人などは、老後資金が大いに不安かもしれませんから、早めに行政の支援等について調べておいたほうがよいかもしれませんね。

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