介護のアルバイトで月収80万円⁉嘘のような本当の話
ブルーベリー摘みや皿洗いのアルバイトで月収50万円? 外国人のカレとカップルでワーホリ? 現地で大学進学? エンジニアとして就職? 結婚して永住?
令和の時代のワーキングホリデー(ワーホリ)は、驚くべきことになっていた。そのリアルを探るべく、オーストラリア・シドニーで多くの若者たちに取材を重ねたのが、『安いニッポンからワーホリ!最低時給2000円の国で夢を見つめた若者たち』(東洋経済新報社)だ。
中でも最も驚かされたのは、介護のアルバイトで月収が80万円にもなったという女性だった。藤田秀美さん(27)。ある週の週給は2488.36豪ドル。日本円で、約22万4000円。月収にならせば、80万円以上の収入になる。
日本の介護職の平均月収は25万円ほど。ところがオーストラリアでは、時給のアルバイトで3倍以上になることもあるというのである。それにしても20代の若い介護職のアルバイトで月収が80万円なのだ。
実は藤田さん、収入を求めてオーストラリアに来たわけではまったくなかった。
「勤務していた病院には、外国人の患者さんもいました。ところが、英語でうまく対応することができなかったんです。病院全体でも英語を話せるスタッフはいなくて。これから自分にできることはなんだろう、と考えたとき、英語ができる看護師が浮かびました」
そう思い立ったのは、看護師1年目。2年目に留学エージェントへの相談を始め、ワーホリという制度を知った。4年目を終えたところを区切りにしようと考え、それまでに費用を貯めたり、英語をオンラインや通信講座で学んだり、と準備を進めた。
看護師の仕事はハードだと言われるが、そこから逃れることが目的だったわけではなかった。
「たしかに残業も多かったですし、辛さがなかったといえば嘘になります。でも、それ以上に看護師という仕事にやりがいを感じていました。英語ができるようになれば、もっと理想に近づくことができる。大事にしたのは、自分がどうなりたいか、でしたね」
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