お金は「貯めれば貯めるほど、使えなくなる」?
あなたはいま、貯金がいくらありますか? そして、その貯金はいつからその金額ですか? 増え続けていますか? 変わらないですか?
なぜ、この質問をしたかというと、貯金の性質には、ひとつ厄介なものがあるからです。それは、お金は「貯めれば貯めるほど、使えなくなってしまう」ということです。
あなたも経験がありませんか? 貯金が10万円になったとき、50万円になったとき、100万円になったとき、区切りのいい数字になったときに「お金を使おう」ではなく「お金を減らしたくない」と思ったことが。この「お金を減らしたくない」という考えは、危険を選択しない人間らしい考え方であり、お金で幸せを買うという面においては、厄介な考え方でもあります。
多くの人が、この「減らしたくない」という考えから、なんとなく貯金をしてしまい、お金がある(貯金をしている)のに、お金がないと思ってしまうのです。
私も新社会人のころ「貯金をするのは偉いこと」と思っていたので、稼いだ給与や賞与のほとんどを貯金にまわしていました。そして節約をしながら、仕事終わりや土日は家にこもってゲームをするという生活をしていました。
すると確かにお金は貯まりましたが、到底、理想的で幸せな人生だと思うことはできませんでした。そんな状態では、何のために仕事をしているのか、何のために難しい勉強をして資格を取ったのかがわからなくなり、仕事へのモチベーションも著しく低下をしました。
このままだとマズいと直感的に思った私は、あえてお金を使い、いろいろな出会いの場に顔を出すことにしました。すると、いいご縁に恵まれ、その出会いから「お金を使う大切さ」や「お金で幸せを買う感覚」を学び、そういうものにお金を使っていくと、劇的に人生が充実をしました。いまでは毎日が幸せだと思えるほど充実をしています。
貯金だけをしても、幸せになることはない
もしかするといまは、当時よりも貯金(流動性貯金※1)はできていないかもしれません。でも、そのぶんお金には変えられないものを得ることができ、貯金をしていたころの自分とは比べ物にならないほど、人生の充実感を手にしています。
貯金だけをしても、幸せになることはありません。過度な貯金をしても、あなたの人生が充実することはないのです。だからこそ、貯金をする際には目安を決め、それ以外の貯金は過度な貯金と捉え、使うか運用するかでお金をまわしていきましょう。
貯金のうち、計画性貯金※2や幸せ還元貯金※3については、目的や目標金額があるため過度な貯金になることはありません。自分で決めた金額を自分で決めた期限まで、コツコツと貯金をしていくだけです。
ただ、流動性貯金については、その性質上、どれだけでも貯金をすることが可能となってしまいます。「何かあったときのため」という抽象的な目的では、どれだけでも備えておくことができてしまうからです。そこで、流動性貯金には目安金額が必要です。
※1:流動性貯金…いつでも引き出せる、何かあったときのための貯金
※2:計画性貯金…将来必要なお金のために計画的に積み立てていく貯金
※3:幸せ還元貯金…自分自身や家族などの自身のまわりの人を幸せにするための貯金
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