今回は、銀行借入を「TIBOR契約」で結ぶメリットについて見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

金利に関する「特約書」が付随する契約で借入を

銀行借入をする際には、「TIBOR+スプレッドで借りなさい!」と申し上げています。

 

TIBORは基準金利で、スプレッドが上乗せ金利、ですね。つまり、基準金利+スプレッドというわけです。

 

この借り方は、固定か変動か、ということで言えば、変動ですね。その中でも、この、TIBOR+スプレッド、という条件設定は、「変動金利に関する特約」という項目にあたります。

 

なので、通常の約定書とは別に、「変動金利に関する特約書」なるものが付随し、そこに、「変動金利に関する適用金利を日本円TIBORとする」ということが記載されるのです。

 

「銀行にTIBORのことを言ったら、そういうのはありませんと言われました」という声を時々聞きます。それは、その銀行マンが、借り入れ条件の特約条項としての、「変動金利に関する特約」を扱ったことがないだけであって、つまりは、知らないだけなのです。そうか、知らないフリをしているのか。

 

TIBOR契約している会社で拝見すると、印刷されたフォーマットとして、「変動金利に関する特約書」が添付されています。銀行によってフォーマットは若干異なりますが、どこでもあるのです。

TIBOR契約とすることで自社に有利な金利で調達可能に

特約がない場合、変動契約であっても、その約定書には、「基準金利〇〇%」「上乗せ金利〇〇%」と書かれてあるだけです。これだと、結局は基準金利は銀行の言うがまま、ということで、実質的には、固定金利とさほど変わらないでしょう。

 

この基準金利に特約をつけて、TIBOR契約とすることで、その根拠が明確になり、自社に有利な調達で可能になるのです。

 

その交渉力を身につけるためには、強い財務体質にしておいてほしいのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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