銀行に都合が良い融資プランばがり・・・
メイン銀行というものは、放っておくと、殿様的になってゆきます。例えば、このようなことがありました。ある地方都市でのことです。
その地方都市には、銀行の支店が3つしかありません。その地域のある企業が、A銀行をメインとしており、B、C銀行との取引はほんのわずかでした。
案の定、A銀行が殿様化してきました。最初は協力的だった社長も、だんだん腹立たしくなってきました。
そこで、ある時、こちらの要望も添え、新たな融資を申し込みました。すると、
「このようなプランではいかがでしょうか?」
と、提示された内容を見ると、こちらの要望は全く無視。銀行の都合の良いようにばかり、書かれています。
業を煮やした社長は、B銀行に融資の声をかけました。B銀行は大喜びです。提示された内容も、こちらの要望に応えるもので、結局、メインをごっそり入れ替えることになりました。
ところが、社長にお聞きすると、「20年前は逆だったんですよ」と言うのです。
聞くと、20年前は、B銀行がメインだったのです。それが殿様化して高飛車な態度でいるところに、A銀行が支店を出し、良い条件で取引してもらえたので、B銀行からA銀行に、ごっそり入れ替えた、ということでした。
20年前のことですから、今のA銀行にも、B銀行にも、当時のことを知る人物はいなかったのです。結局、ひとつの銀行との取引が偏りすぎると、その銀行はいつか、殿様化してきますね。
銀行を「現金の仕入れ先」と考え、お互い競わせる
融資を受けるにしても、メイン銀行などという意識は捨て、単に現金の仕入れ先として考え、常に競わせてほしいのです。そして、たまには借り換えをするなどして、こちらが本気だということを、示してほしいのです。
このような交渉を有利に導くためにも、自社の財務体質は、少しでも、強くしておきたいですね。