税務署は、庶民の税金「数万円」さえ見逃さないが…議員の裏金「5億8,000万円」にはそっと蓋。税務調査の赤裸々実態【税理士が解説】

税務署は、庶民の税金「数万円」さえ見逃さないが…議員の裏金「5億8,000万円」にはそっと蓋。税務調査の赤裸々実態【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

自民党派閥による政治資金パーティーをめぐる裏金問題が昨年からニュースを賑わしています。毎日新聞が実施した世論調査(2024年2月17・18日)の結果からは、問題のあった自民党議員を「国税が調査すべきだ」という国民の声が強くあがっていることがわかります。本記事では、一般庶民の身の上に起きた税金問題の事例から、税理士法人OGUの小串嘉次信税理士が税務調査の実態を紐解いていきます。

Aさんに告げられた追徴課税額

このようなやり取りの結果、Aさんは14万2,600円を譲渡収入に加算することにより、物件の売却価格は5,014万2,600円であったとする修正申告書を作成し、所轄税務署に提出することとなった。Aさんの修正申告による増差税額は住民税を含め2万8,900円が追徴される結果となった。

 

事例のようにAさんは売却代金と精算金の僅かな差異について税務当局に着目され、修正申告のうえ追徴税額を納税することになった。

 

これは日本における税務が租税法律主義に基づいていることから心情的には別として、仕方のない税務上の修正であったように思う。Aさんも悔しかったに違いないが法的に正しい処理が必要と考え、修正申告に従ったはずである。

 

冒頭の政治資金の問題では、我々納税者のお手本であるべき議員の使途不明金が現在も騒がれて喧しい。

 

Aさんが税務当局で味わった侘しさが現実の庶民感情なのであるから、議員の方々は自律的な制度を自ら創り、たとえ僅かな金額であっても襟を正して厳格に政治資金を取り扱っていただきたいものである。
 

 

小串 嘉次信

税理士法人OGU

税理士

 

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