Aさんと調査官のやりとり
Aさん「こんにちは。お問い合わせの資料をお持ちしました」
調査官「ご足労をいただきありがとうございます。では、早速に資料の方を拝見させて頂きますね。なるほど、契約書は公簿取引により売却価額が5,000万円ですね」
Aさん「そうです。相場どおりかなと思いまして不動産屋さんの言い値で売りました。私の確定申告書もその様に記載していますからね」
調査官「なるほど、そうですね。申告書は契約書どおりに記載されています。契約書に印紙もお貼りいただいていて契約書として完成していますね」
Aさん「そうでしょう。不動産の売却に伴う税金が1,000万円近かったものですから、お陰様で昨年は高額納税者になれた気分でしたよ」
調査官「なるほど、恐れ入ります。しかし売買当日、不動産会社から5,000万円以外の現金をもらっておられないでしょうか?」
Aさん「えっ? 5,000万円以外の現金などもらう理由がわかりませんがどのような意味でしょう?」Aさんは多少不機嫌になってそう答えた。
調査官「本日契約書とは別にお持ちいただいている、決済当日の精算書のことなんですがね」
Aさん「ええ」
調査官「精算書には物件の固定資産税の清算金として14万2,600円を買主は売主に払う旨の記載があります」
Aさん「そういえばその年に私が納税した固定資産税を日数割りして買主さんが現金で私に精算してくれました」
調査官「そうですね。資料が物語っています。この固定資産税の精算金は資産税の税務実務においては、不動産の売却代金に加算して下さい、というルールなのですよ」
Aさん「ええっ! 僕がその年払った固定資産税を精算しただけの意味ですよね。どうしてこれが売却代金に含められるのですか!?」
調査官「この固定資産税の精算は、不動産取引における実務慣行に則った経費精算に過ぎないので、税金の立替金払いには該当せず譲渡収入を構成するものとして扱われます。従ってAさんは譲渡所得の修正申告を行うべき必要があります」
Aさん「そんな……。もうたくさん税金を払っているのにまだ税金を取る気ですか? 東京からわざわざ来たのだからなんとか考えてくれませんかね?」
調査官「いえ、私が現認した以上、修正申告の対象とお考えください。当方は、買主である不動産会社の帳簿との整合性のためにもこの修正は必要であると考えます」
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