とても高い実質の補助率
この制度では、窓のサイズと窓の断熱性能、工事の種類により、下図のように1窓ごとの補助単価が定額で決められております。昨年度に比べて、内窓設置の補助単価が少し減り、カバー工法の補助額が増えていますが、これは、昨年度の補助実績を基に補助率が1/2相当等になるように設定されたことによります。補助率1/2相当等の定額補助は、補助率としてはとても高いといえるでしょう。
また、補助額の上限は、200万円/戸なので、よほどの窓の多い豪邸でない限り、補助額の上限以内で、すべての窓の補助金を利用して、窓と玄関扉の断熱改修ができるのではないかと思います。
分譲マンションや賃貸住宅でも積極的に活用を考えたい
この制度は、戸建住宅だけではなく、分譲マンションや賃貸マンションなどの集合住宅も対象です。昨年度は、上述の通り戸建住宅と集合住宅で、予算の枠が分かれていました。今年度は、その枠はなくなり、総予算が増額になっています。昨年度、より予算の消化率が高かった集合住宅にとっては、朗報と言えるでしょう。
加藤係長によると、昨年度は集合住宅の申請割合は、分譲が約75%で、賃貸が約25%にとどまっていたそうです。賃貸マンションでは、改修を判断するオーナーと居住者が異なるため、断熱改修を行うメリットが感じづらく、活用が少なかったのではないか、と思われます。今年度は賃貸マンションでの積極的な制度活用をPRし、事業の活用に繋げていきたいとのことで、賃貸集合住宅での活用をアピールするとても分かりやすい動画も作成されています。
外壁等の断熱リノベや高効率給湯器への更新も補助対象に!
国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携して、省エネ関連補助金を同時に活用できる「住宅省エネ2024キャンペーン」を行っており、専用ホームページが開設されています。
環境省の「先進的窓リノベ2024事業」は、国土交通省の「子育てエコホーム支援事業」、経済産業省の「給湯省エネ2024事業」、「賃貸集合給湯省エネ2024事業」と同時に活用することができます。同一箇所に2つの補助金を使うことはできませんが、窓の断熱リノベと同時に、外壁、屋根・天井、床の断熱改修やバリアフリー改修、高効率給湯器の導入等の補助金を活用することが可能です。
窓だけでなく、もっと本格的な省エネリノベを考えるチャンスでもあります。
賃貸住宅が省エネ性能・断熱性能で選ばれる時代に!
今年4月から、建築物省エネ法に基づく「建築物の省エネ性能表示制度」が始まっています(関連記事:『2024年、住宅業界に大激震!日本の家「高断熱・省エネ重視」の時代到来で「資産価値」にも影響』)。この制度により、新築住宅には、省エネ性能や断熱性能(断熱等級)の表示努力義務が課されており、これらは、SUUMO等の不動産ポータル制度でも表示されます。そのため、今後、賃貸宅の借り手は、省エネ性能や断熱性能(断熱等級)を見比べながら住まい選びを行うことになります。
それでなくても古い賃貸住宅は、一般的に、冬寒く、夏暑く、結露がひどいという印象があります。空き家率がますます高まる中、これからはさらに断熱性能による差別化が明確になり、古い賃貸住宅は、賃貸住宅マーケットで競争力を失う可能性が高まっています。
つまり、既存賃貸住宅も省エネ・断熱の性能向上が求められるようになったということです。窓・玄関だけの断熱改修だけでは、もちろん「高気密・高断熱住宅」と言えるような本格的な高性能住宅相当のレベルまで劇的に性能を向上できるわけではありません。しかしながら、同じ築年数の賃貸住宅に比べれば、かなり断熱性能は高くなりますから、賃貸住宅マーケットでの競争力が間違いなく向上します。
また、結露が生じにくくなり、冬は暖かくなるので、住み心地がかなり良くなります。そのため、退去率が下がり、空室リスクを低減することができます。実際、高断熱の賃貸住宅は、満室稼働後に評判が高まり、退去率が低く、空室待ちの状況になっており、新規募集のたびに家賃を値上げしている事例も多いようです。ぜひこの機会に、この制度を活用して、賃貸住宅経営の競争力向上・安定を図ることをお勧めします。
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