写真提供:THIS ONE

知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。今回のテーマは「窓の断熱改修の大型補助金」。昨年、話題になった補助金制度「先進的窓リノベ事業」が、予算拡大で募集を開始しました。軽い費用負担で、住宅性能を向上させるチャンスです。

玄関・窓の「断熱性能向上」は健康にも貢献

現在の住まいの玄関周辺が寒いという家は多いと思います。これは玄関扉の断熱性能の低さが大きな要因の一つです。特に玄関周辺にトイレや脱衣室・浴室がある間取りの家の場合、入浴やトイレに行く際に、寒い玄関周辺を通らなければならず、脱衣室・浴室やトイレもとても寒い家が多いのではないかと思います。玄関扉の断熱改修により、それらの空間の室温が上がり、ヒートショックリスクを大幅に軽減することができます。(関連記事:『日本の家「寒すぎる脱衣所」…年間“約1.9万人”が亡くなる深刻』)。消費者庁によると、ヒートショックにより、実に年間19,000人もの方々が亡くなっているそうです。これは交通事故死者数の7倍以上にも上る人数です。ぜひ、健康なシニアライフのために、窓だけではなく、玄関扉もセットで改修することをお勧めします。

 

また、結露が生じると、そこにカビが発生し、カビはダニの餌になるため、結露の多い家は、どうしてもカビ・ダニがアレルゲンになり、喘息やアレルギーを引き起こすリスクが高まります。特に小さいお子さんがいる家は、極力結露が生じない家にしたいところです(関連記事:『住まいの断熱性能と「アレルギー・喘息」の関係性【近畿大学教授が解説】』)。

補助対象となる「窓改修」は4種類

先進的窓リノベ2024事業では、昨年度に引き続き図に示す4種類の窓改修が補助対象になります。既存の外窓の内窓を設置する内窓設置は、最も工事が簡単で、費用対効果が高いと言われています。内窓設置の場合は既存の外窓と内窓の2枚高い断熱性能を確保するため、窓を開ける際には、2枚開けなければならないので、少し不便になります。

 

頻繁に開け閉めが必要な窓の場合は、外窓交換(カバー工法)をお勧めします。窓の枠は、壁の中にも入っていますから、枠そのものを交換する場合、壁や床の補修が必要になり、少し大掛かりになります。それに対してカバー工法は、壁中の枠を残してカットして、既存の枠新しい枠をかぶせる工法です。既存の窓よりも窓のサイズが少し小さくなってしまいますが、高性能な樹脂サッシに改修することにより、1枚で高い断熱性能を確保することができます。

 

図の一番右の外窓交換(はつり工法)は、壁の中の既存の窓枠も取り除き、新しい窓に交換する方法です。窓だけの断熱改修の場合はコストが高くなるのであまりお勧めしません。ただ、同時に床・壁・天井等の断熱も行うスケルトンリノベに近い断熱リノベを行うのであれば、この方法も有力な選択肢になります。

 

【図表1】工事の種類
【図表2】

 

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