4月の「FX投資戦略」ポイント
〈ポイント〉
・3月の米ドル/円は、後半に上昇が再燃したことで、一気に2022年10月の高値を更新した。主因は、日米政策金利差が「大幅な米ドル優位・円劣位」となったことにより、投機的米ドル買い・円売りの動きが根強く継続したためと考えられる。
・これに対して、2022年以来の日本の通貨当局による「円安阻止介入」が実施される可能性も高まってきたようだ。
・4月は投機の円売りvs介入の攻防が中心となり、145~154円で荒れた展開を予想。
3月の振り返り=米ドル高値更新で152円に接近
3月の米ドル/円は一時146円台まで下落したものの、その後上昇が再開すると、19日の日銀によるマイナス金利解除決定の後からは一段と米ドル高に向かい、2022年10月に記録したこの間の高値をわずかに更新し、152円に迫る動きとなりました(図表1参照)。
ところで、月後半の高値を更新し、152円に迫った米ドル/円上昇の動きは、日米金利差からはかい離の目立つものでした(図表2参照)。日米政策金利差(=日銀の政策金利とFFレート誘導目標上限の差)の米ドル優位・円劣位は、日銀によるゼロ金利解除、そして20日に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)が予想より「ハト派」との評価により、米金利が低下気味で推移したことから、縮小傾向となったのでした。それでは、そういった状況のなかで、なぜ「米ドル高・円安」が拡大したのでしょうか。
金利差からかい離した「米ドル高・円安」の要因を、ある程度説明できそうだったのは、投機筋による米ドル買い・円売りの拡大でした。ヘッジファンドなどの取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジション(対米ドル)は、売り越し(米ドル買い越し)が2月末の13万枚から一時は10万枚まで縮小しましたが、3月後半は13万枚近くまで再拡大しました。こんなふうに、投機筋の米ドル買い・円売りが再燃するなかで、米ドル/円は152円に迫る上昇となったわけです(図表3参照)。