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家族が亡くなったとき、残された人は悲しみに包まれますが、そのような心情に関係なく、遺産相続にかかわる手続きが待ち構えています。相続税は一定額以上の遺産がないとかかりませんが、遺産相続の手続きそのものは、遺産がいくらであっても(借金があってマイナスであっても)必要です。本記事では、遺産相続手続きで必要になる書類とその手続きを自身で行う場合の方法、それぞれの手続きを専門家に依頼したほうが良い場合とその費用の目安について解説していきます。

遺産相続の手続きを専門家に依頼するという選択肢

必要書類を揃える時間が取れない方や、処理が煩雑なものについては専門家に頼むという手もあります。多少費用がかかるものの、必要書類を収集するだけでなく、必要な手続きまですべてお任せでやってくれるため、場合によっては専門家に依頼する方がオススメです。

 

銀行口座等の名義変更は、行政書士等に依頼

被相続人の預金口座や証券口座が多数ある場合や、相続人が多数いる場合などは、対応するのは多くの時間と労力が必要です。ただ、手続き自体は難しいものではありませんので日中お時間のとれる方でしたら金融機関の店舗に何度か出向けば手続きは可能です。ただ、お仕事等で日中になかなか時間がとれない方、金融機関に出向くのが難しい方については、専門家に依頼するという選択肢もあります。

 

この口座の名義変更は総称で、遺産整理業務と言い、信託銀行や、司法書士、行政書士等がサービスを行っています。費用については預金額や口座の数などによってことなりますが、司法書士や行政書士については1口座あたり数万円という金額となっています。信託銀行の遺産整理業務については、最低費用が100万円からとなっているところが多いです。

 

不動産の名義変更(相続登記)は、司法書士に依頼

前述の預貯金や証券口座の名義変更とは異なり、不動産の名義変更(相続登記)については、ご自身で行われる方は非常に少数です。前述の2-3の項目で説明した、「相続登記申請書」や「相続関係説明図」といった書類を作成するのが難しいためです。専門家に依頼する場合、不動産の相続登記は司法書士が行います。報酬は事務所によって異なりますが、平均すると10万円前後になります。

 

相続税申告は、税理士に依頼

相続税申告については、前述の預貯金の名義変更や相続登記よりも手続きの難易度は非常に高くなっています。国税庁が公開している「相続税申告のしかた」というマニュアルがありますが、これを理解しご自身で申告手続きを完了される方はあまりいないと思います。

 

特例等の適用で最終的に相続税の納税額がゼロ円になる方については中にはご自身で申告手続きをされる方もいらっしゃいます。ただ、納める税額がある場合には、計算を間違えば、過少申告でペナルティが課せられたり、過大申告で損をしたりする可能性もありますので注意が必要です。

 

相続税申告が行えるのは、税理士という国家資格保有者に限られています。費用については、相続税専門の税理士に依頼すれば、20万円程度から依頼することが可能です。

 

相続放棄は、司法書士等に依頼

相続放棄の手続きについては、通常の場合、前述の2-5で解説した必要書類を準備することができればご自身で手続きを行うことが可能です。ただし、こちらも口座の名義変更と同じく日中に裁判所に出向くことが難しい方は、専門家に依頼するという方法もあります。

 

また、3ヵ月を経過した場合の相続放棄の手続きは複雑で、申請の仕方によって認められる場合、認められない場合がありますので、専門家に依頼されることをお勧めいたします。手続きの依頼先は司法書士となり、4万円から10万円程度の報酬が相場です

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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