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家・土地などの不動産を相続しても「相続の名義変更はそのうちやればいいでしょ?」「費用がかさむからできればやりたくない。」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、相続登記は2024年(令和6年)4月1日から法改正により義務化されます。これから相続をむかえる方でも、すでに相続をむかえている方でも、相続登記の義務化について押さえておくべきです。この記事では、少し複雑な「相続登記の義務化」に伴い変わるルールや、相続登記をしないと起こるデメリット、相続登記の手続き方法や費用について、司法書士法人みどり法務事務所・所属の司法書士、鈴木健太氏監修のもと解説します。

4.住所・氏名変更登記も義務化される

 

相続登記の義務化に続いて2026年(令和8年)4月1日には不動産の所有権登記名義人の氏名・住所(法人なら商号・本店)の変更登記も義務化されます。これも所有不明土地問題の1つの原因になっていたことが義務化の理由です。氏名や住所を変更してから正当な理由なく2年以内に変更登記をしない場合も、最大5万円の過料(≒罰金)の対象となります。

 

この変更登記も相続登記と同じように法改正以前の氏名・住所変更にも適用されます。不動産売却などの際にも、過去に結婚や転居などで氏名や住所が変わっていても氏名・住所変更登記がされていないケースがかなり多いです。今後は免許証の書き換えやクレジットカードの住所変更届出と同じように、不動産の住所氏名変更登記をする必要があります。

 

なお、株式会社などの法人の商号・本店所在地などを公示する商業登記(法人登記)においては、従来から登記事項に変更が生じたから2週間以内の変更登記義務があります。

 

この役員変更登記などを忘れていて過料(≒罰金)を払う羽目になってしまう方などもいるのでご注意ください。

 

5.相続した不要な土地は……相続土地国庫帰属制度

 

2023年(令和5年)4月27日には「相続等により取得した土地所有権を国庫に帰属させる制度」も開始しました。今までは相続した場合には、相続財産の中で不要な土地のみを放棄することが認められていなかったので、不要な土地も含めて相続するか、他の財産(預貯金など)も含めてすべての相続財産を相続放棄するかを天秤にかけて決めるほかはありませんでした。このような場合に、「いったん相続はするけど、不要な土地のみを国に引き渡す」という選択肢をとることができるようになりました。

 

しかしこの制度を利用するためには一定の条件を満たす必要があります。下記の3つをすべてクリアしているケースです。

 

 

上記3の5つの条件は下記のとおりです。

 

 

 

現住所と離れていて管理が大変な土地などを国に引き取ってもらえるのはメリットですが、条件も多いことは理解しておく必要があるでしょう。家などの建物がある場合は、相続人が解体費用を負担しなければいけません。また、負担金の納付も必要となり、国庫へ帰属後10年分の土地の管理費用を納付しなければなりません。

 

当事務所でも相続登記のご依頼を受ける際に「土地を相続したけど……売れるような土地じゃないし、利用用途もない場合はどうすれば……」というご相談を頂くこともあります。そのような場合に相続土地国庫帰属制度の利用を検討することもありますが、やはり利用条件や負担金が障害となり、結局のところ利用できない方が多いのが現状です。

 

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