(※写真はイメージです/PIXTA)

リフォームを行う際、「なるべくお金をかけたくない」と考え、コストを抑えるためにさまざまな手段を講じるケースは少なくありません。しかし、そうした手段を選択した結果、「多くの時間とコストを費やしてしまう人が実は多い」と、リフォーム投資のプロである株式会社ピカいちの代表取締役・柳田将禎氏は言います。柳田氏の著書『ピカいちのリフォーム投資』より、やってはいけないリフォーム方法とその理由について見ていきましょう。

最悪なケースでは工事ストップもありえる

最近は不動産投資において、DIY関連だけではなく分離発注を推奨する本も出版されています。しかし、そこには「タウンページで職人さんを探しなさい。地元の土建組合に電話して、一人親方に依頼しなさい」などと書かれています。

 

そういった職人さんで、質の良い方を見つけるのは簡単ではありません。私の会社にしても、たくさん仕事をやってきたからこそ、そこに付いてきてくれる職人さんがいて、彼らをまとめあげることができるわけです。

 

職人さんのほうもその仕事を「継続して発注してくれる取引先なのか」「1回限りの発注なのか」で対応が変わります。1回限りの仕事であれば、手を抜く人も出てきます。職人さんをまとめるのは、初心者の方が一朝一夕でできるものではないのです。

 

また分離発注の場合、職人さんに逃げられる可能性があるのもデメリットの一つです。途中で職人さんが来なくなって工事がストップしてしまった……こうしたケースは、安い価格で工事を依頼した場合にありがちなことです。単純にもっと単価の良い仕事が入れば、そちらを優先します。

 

分離発注のリスクとして、「誰がやったかわからない」という点もあげられます。

 

たとえば、大工さんに床の補修、クロス屋さんに壁紙の張り替えを分離発注しました。

 

本来であれば、大工さん(床)が終わってから、内装屋さんがクロスを張りに来ます。その過程で、どちらかの職人さんがカッターを落として床に傷をつけてしまいました。

 

こうしたことは職人さんが気づくこともあれば、気づいても言わない場合があります。これを分離発注ではなく1社に全部お願いしていれば、施工会社に責任を追及できますが、分離発注ではどちらの責任かを問う必要性が出てきます。

 

とはいえ、大工さんと内装屋さん、どちらの責任なのかは、その都度、現場に行って確認していない限りわかりません。

 

結果、責任の所在が不明のまま、自身で再発注しなければならなくなります。そうなると、時間もコストもかかるので分離発注した意味がまったくないことになります。傷を新たに直したい場合でも、単純に「傷の補修」だけで済むことはなく、何かしらの工程が発生してしまうのです。

 

このように、プロフェッショナルな人をマネジメントしようとすればするほど、対価が発生する可能性が高まり、人間同士のトラブルにつながってしまいます。

 

そうしたマネジメントに自信がなければ、施工管理のプロに発注したほうがコストを抑え、現場の満足度を上げられるでしょう。

 

 

柳田 将禎

株式会社ピカいち

代表取締役

 

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※本連載は柳田 将禎氏による著書『ピカいちのリフォーム投資 改訂版』(プラチナ社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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