(※写真はイメージです/PIXTA)

中古不動産投資において欠かせないのがリフォームであり、コストカットを目指して、大家はあの手この手を尽くすもの。そんな中、昨今のブームになっているリフォームテクニックで「投資として行うのはリスキー」と、リフォーム投資のプロである柳田将禎氏が忠告する方法があります。柳田氏の著書『ピカいちのリフォーム投資 改訂版』より、詳しく見ていきましょう。

初心者が検討しがちなセルフリフォーム

不動産投資家のなかには、見様見まねでリフォームをしている人がいます。

 

とくに戸建てなど少額投資の人はその傾向があります。最近はYouTubeなどで施工の動画を見れますし、部材もインターネット通販で簡単に買えます。

 

もちろん、もともと経験がある人や、慣れている人にサポートをしてもらって行う分には良いでしょう。
 

しかし、初心者の人にリフォームをすることはお勧めしていません。よく本には「勉強のためにも自分でやってみるのが大事」などと書かれていますが、そんなことはまったくありません。厳しいことを言うようですが、それは何の勉強にもならないですし、正直に言って時間のムダです。

 

たとえばペンキを塗るにしても、もともと塗ってあるものが水性なのか油性なのかわからないまま塗ってしまうと、YouTubeのように最初はキレイにできたとしても、またはがれてしまいます。

 

同じペンキにしても、塗料同士の相性もあります。やみくもに塗れば良いというわけではないのです。また、十分に下地処理ができていないとヤニが浮いてきます。

 

もし勉強のためにリフォームをしたいなら、プロの仕事を間近で見て学ぶのが最短ルートでしょう。知識や経験もないまま自分ひとりで試行錯誤するのは自己満足でしかなく、結果的にプロに依頼するよりもコストがかかってしまいます。

 

最初は「DIYをしてみよう」と意気込んでいたものの、自分ではどうにもならず中途半端な状態で業者に依頼して、費用と時間が余計にかかっているケースも珍しくありません。

 

セルフリフォームは昨今のブームですが、あくまで趣味の範囲でやるならまだしも、投資として行うのはリスキーです。もし本気でやろうとするなら、自分がリフォーム会社を立ち上げるくらいの気持ちが必要だと思います。

セルフリフォームのデメリット

では、なぜ初心者がセルフリフォームをしてはいけないのかを解説します。はじめに質問させてください。

 

①本業におけるあなたの時給はいくらですか?

②セルフリフォームを実施するのにどれくらいの期間がかかりますか?

③そのセルフリフォームは職人さんレベルの仕上がりですか?

④材料はどこから仕入れるのですか? そのリサーチに費やす時間は?

⑤そもそも、その工事をして構造上大丈夫ですか?

⑥あなたがやらなければならないのですか?

 

いかがでしょうか? これらの質問に対し一般的な回答をしてみましょう。

 

まず前提として、不動産投資をされている方は本業でもうまくいっている方が多く、月50万円以上を稼がれる方はたくさんいると思いますので、その数字をもとに計算式に当てはめていきたいと思います。もちろん月100万円稼いでる方はこの倍の数字、150万円の方はその3倍です。

 

月収が55万円で月当たり22日出勤と考え、平均労働時間を8時間とすると

 

・8時間×22日=176時間

・55万円÷176=3,125円

 

時給3,125円ということになります。セルフリフォームの時間ですが、工事によってかなり変動するので、一般的な原状回復工事のワンルーム(約20m2)程度の物件の木部塗装工事・クロス張替工事・クリーニング工事を実施するとして自分なりにキレイに仕上げる場合、以下の日数がかかると思われます。

 

・木部塗装工事に2日

・クロス張替工事に4日

・クリーニング工事に2日

 

正味8日間ではありますが、サラリーマン投資家は会社帰りの時間や休日を利用して実施するため、2ヵ月ほどはかかるのではないでしょうか?

 

ここでポイントです。①の質問で出てきた時給を掛け合わせてみると、1日の稼働時間は8時間ですから、8時間×8日=64時間×3,125円=20万円が本業であれば稼げたお金です。

 

②の質問の工事期間中に、もし入居者が付いたなら、3万円の家賃だとして、3万円×2カ月=6万円

 

この時点で本業をやっていたら稼げたお金20万円。リフォーム業者にお願いをしていたら、1週間で完工できるものを2ヵ月もかけたための機会損失6万円で、計26万円を失っていることと同じです。

 

質問の答えに戻ります。③を考えてください。職人は毎日同じ仕事をして何十年という経験からくる技があります。素人がそう簡単に同じレベルにはなれません。

 

④についていえば、インターネットやホームセンターで探すという方がほとんどだと思います。こちらにも計3時間くらいはかかりそうなので、3時間×時給3,125円=9,375円のコストがプラスでかかっているということです。

 

工事内容の⑤は「塗装程度なら大丈夫」「クロスは費用対効果が高い」と、気軽に挑戦する方が多いです。しかし、その塗料は本当に内装で使用して良い物ですか? クロスの糊は基準をクリアしたものでしょうか? その確認をしていない方がほとんどだと思います。

 

最後の⑥については、頑張っている気がするし、リフォームの見積りが高いから自分でやったほうが得な気がする……そのような理由ではじめている方が多いですが、プロの私から言えば、サラリーマン投資家さんがセルフリフォームを行う必要性は一切ないと感じます。

 

当社でこちらの工事を請け負った場合、諸経費などは地域等により変わるため、別途で計算しますが、20〜25万円で施工が可能です。

 

セルフリフォームで行った場合は材料費5万円ほどなので、一見かなり安くできたと思うかもしれませんが、前述した自分の時給を考えてみましょう。決して安く仕上がっていません。それでいて仕上がりはプロのようにはいきません。

 

また、その工事期間中に客付けができなかったという機会損失が生まれていることも絶対に忘れてはいけません。たとえば、それが2月や3月の繁忙期であれば、家賃も少し高く、さらには即時契約になったかもしれない物件を眠らせることにもなるのです。

 

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次ページセルフリフォームはなぜ避けるべきか

※本連載は柳田 将禎氏による著書『ピカいちのリフォーム投資 改訂版』(プラチナ社)より一部を抜粋・再編集したものです。

ピカいちのリフォーム投資 改訂版

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柳田 将禎

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