(※写真はイメージです/PIXTA)

雇われとして社長業を続けているものの、相変わらず会社の実権はオーナーが握っている。もしオーナーが会社の資金も自由に操作をし、経営状況が悪化していた場合、その責任はどうなるのか…。そこで、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに雇われ代表の辞任について、森江悠斗弁護士に解説していただきました。

大ごとにならずに辞任したいが...

相談者のみっちさんは、ある会社で雇われ代表取締役を務めています。株主は1名で、役員はみっちさんを含め5名です。会社の資金繰りなどはすべて、グループ会社のオーナーである株主が実権を握り操作しています。

 

そうしたなか、頻繁に資金を移動していたことで、業者への支払いが滞ってしまう事態に陥ってしまいました。経営の詳細も把握できないこの状況で、今後の責任問題も考えると辞任したいと考えています。

 

そこで、みっちさんはココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点について相談しました。

 

(1)どのような方法であれば、安全かつ迅速に辞任できるのでしょうか。

 

(2)またオーナーは、相談者が代表を務める会社の取締役の1人ですが、取締役であれば会社の資金を勝手に移動させることは法的問題ではないのでしょうか。


迅速で安全な辞任を行う方法

まず「辞任ができるか否か」についてですが、取締役は、会社との間で「取締役委任契約」を締結していると解されるため、通常の委任契約同様、辞任(委任契約の解除)が可能です。

 

この点、民法651条1項が「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。」と規定しているとおりです。

 

なお、一般的な委任契約では、解除権放棄特約を締結すること(本件に即していうと、「辞任する権利を放棄する」という内容の約束をすること)が認められますが、取締役の辞任を制限する特約を無効とした裁判例(大阪地判昭和63年11月30日判時1316号139頁)の存在等を踏まえると、取締役委任契約の場合においてこの解除権放棄特約が制限される可能性も高いといえ、取締役(代表取締役も含みます。)の辞任の自由度は高いといえます。

 

他方で、「安全な辞任ができるか」という点に関し、民法651条2項は、受任者が「相手方に不利な時期に委任を解除したとき」に委任契約を解除した場合において、「やむを得ない事由」がある場合を除き、受任者には発生した「損害」を賠償責任が発生すると規定しています。

 

そのため、本件でみっちさんは「安全」な辞任を希望しているようではありますが、そのためには、以上のような損害賠償請求を受けるリスクを考慮した上で、辞任に当たり、会社にとって「不利な時期」の辞任に当たるとはいえないか、急な辞任で会社に「損害」を与える可能性はないか、といった点をよく確認・検討する必要があります。

 

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