「失敗物件」を買ってしまう、投資家の心理
どうしてそのような物件を買ってしまったのか。
これは強引に営業をした不動産会社をはじめ、銀行の不正融資の責任も問われていますが、投資家のほうも間違いなく把握していたはずです。
本来であれば頭金を用意しなくては購入できない物件を、1円も自己資金を出さずに購入できるのですから、なんらかの不正を働いていたことは薄々でも気づいていたと思うのです。
不動産投資は本来お金のかかる投資です。
いくらフルローンが出たとしても、自己資金は必要ですし、購入後の運転資金や設備資金など、ある程度の現金がなければ立ち行きません。それを全額借りたうえで、リスクなしで儲かるなんて、そんな美味しい話は「あるわけない」と疑う方が正しい感覚だと思います。
いずれにせよ、そうした闇の部分を知っていながら買ってしまった投資家にも一定の責任はあるでしょう。
また、なぜこの問題が止められなかったのかといえば、投資家の「買いたい病」が大きかったのではないかと推測します。
「とりあえず」物件を買ってしまい、うまくいかない結果に……
物件を購入するにあたって、最初は誰もが高い理想を抱くものです。しかし理想的な物件は滅多に現れませんし、出たとしても他の買い手に持っていかれてしまいます。その繰り返しが続き、1年、2年と経ていくと、「買いたい」という気持ちが増大します。
そんなとき、有名投資家や不動産投資コンサルタントが「とりあえず買ってみてはじめることが大切です」など無責任なことを言うわけです。
その言葉を真に受けた(物件探しに注力もせず、ラクして稼ぎたいと思っている)人たちは、「とりあえず」という気持ちで物件を買ってしまい、うまくいかない結果となります。
「かぼちゃの馬車」のシェアハウスやスルガスキームで買った人の大半は、無料セミナーに行って誤った知識を刷り込まれて買ってしまったわけですが、なかには不動産投資本を100冊以上も読んでいる勉強熱心な人もいます。
ではなぜ、そのような人たちでさえ同じ被害を受けてしまったのかというと、やはり知識を積めば積むほど理想が高くなっていき、それに反して物件を手に入れることができず、フラストレーションを溜めていたからではないでしょうか。
いわゆる著名投資家の書籍に書かれている情報は、「その投資家だから」「その時期に買ったから」というものがほとんどです。
私自身が投資家であり物件を購入し続けているからこそ断言できますが、5年前にできた投資を今行うことはできません。今は一周まわって10年前と同じ市況という人もいますが、それでも10年前と今では異なるわけです。
有名投資家が10年前に買って儲けられた物件……これと似ている物件があったけれども、今の状況では地雷物件になってしまうケースもあります。
柳田 将禎
株式会社ピカいち
代表取締役
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