(※写真はイメージです/PIXTA)

負けている「負」動産を“勝てる”不動産に変えることができる「リフォーム投資」は、不動産投資を成功させるために有益な手段の1つといえます。しかしながら、“地雷物件”を購入して不動産投資に失敗してしまう、残念なケースも散見されています。リフォーム投資のプロである株式会社ピカいちの代表取締役・柳田将禎氏が、不動産投資において大切な考え方・意識について、わかりやすく指南します。

地方の大規模物件で起こっている「問題」

最近では、都会のサラリーマン投資家が購入した地方の大規模物件に問題が起きています。

 

入居付けがうまくいって高稼働できればいいのですが、高金利で低利回りの物件を買っているのでキャッシュフローが少なく、修繕のことも考えると、今後さらに問題が深刻化する可能性が考えられます。

 

たとえば、表面利回り10%で、毎月30万円程度のキャッシュフローが出ることになっていますが、それはあくまで満室想定です。地方の大規模物件は世帯数も多いですから、満室にするのは簡単ではありません。

 

また、都会に比べて家賃の価格帯も低いものです。

 

何十戸もある狭小ワンルームの家賃が、2万円どころか1万円台ということもあります。かといって延床面積の広いファミリータイプともなれば、リフォーム費用が高額となり、そうしたキャッシュアウトに自己資金が追いつかない問題もあります。

 

ファミリータイプの物件で空室が続いてしまった場合、資金不足で原状回復工事をすることすらままならず、入居募集が行えないという笑えない話もあるほどです。

 

表面利回りが10%程度でも運営に苦しんでいるサラリーマン投資家が多い

いわゆる高積算(土地値+建物評価の高い)物件は、RC造など大規模物件が多く広い敷地を持つため、共有部の管理コスト、さらに税金がかかります。

 

自分が近くに住んでいるのであればいいかもしれませんが、遠隔で管理を依頼することになると想定以上にコストと手間がかかるので、最初に計算した数値ではとても運営できない現実がわかってきます。

 

購入時点で、当初の利回りのまま運営できると考えるのは早計です。あくまで、商品としての価値を出すには満室にする必要があり、そのためには管理状態を良くしなければなりません。

 

そうした条件がクリアできることを事前に確信したうえで購入するならいいのですが、意外にも多くの人が十分に試算しないまま商品化できない物件を買ってしまうのです。

 

表面利回りが10%程度であっても運営に苦しんでいるサラリーマン投資家はたくさんいます。それが表面利回り8%ほどなのに、金利が4.5%であれば、運営は本当に苦しくなっていきます。

 

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※本連載は柳田 将禎氏による著書『ピカいちのリフォーム投資 改訂版』(プラチナ社)より一部を抜粋・再編集したものです。

ピカいちのリフォーム投資 改訂版

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柳田 将禎

プラチナ出版

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