日経平均は2024年年末に4万2,000円を予想
今期の業績は15%増益で着地。来期は前半2%、後半7%増益がコンセンサスに。PERは16倍台半ばに上昇、日経平均は2024年年末に4万2,000円を予想。
相場予想に戻ると、日本株は緩やかな業績の伸びに加え、成長期待でバリュエーションが拡大し、この2つの要因によって日経平均は4万円の大台を越えると予想する。
EPS成長とPERの組み合わせは図表3のとおり。業績(EPS)については中間決算が一巡した段階で2024年3月期の予想が13%増益(日経新聞の集計による)。半年後の本決算は控えめに見積もっても15%増益程度の着地になるだろう。その2024年3月期EPS見込みに対して、来年度の予想EPSは年前半に2%増益、後半になって7%増益が市場のコンセンサスとなるだろう。それにPERをかけたものが右端の株価である。無理のない数字だと思う。
成長期待でバリュエーションが拡大するというロジックは、7月4日公開の記事『「日経平均4万円」の根拠…成長期待の高まりが株高の背景【ストラテジストが解説】』で詳しく解説しているので、再読いただきたい。
企業の経営改革は継続
①M&A、②事業再編、③設備投資などが成長期待を高める。
この成長期待を内外にアピールするものが日本企業の変革の姿勢である。不採算事業からの撤退など事業再編を進めたり、積極的なM&Aで成長分野を取り込み、足元の業績が振るわなくても工場建設を進めるなど長期的な観点からの成長投資を実施するなど、前向きな案件が着実に増えている。こうした動きが2024年にさらに加速するか否か――それが来年の一番の注目ポイントである。
もうひとつ、重要なポイントを繰り返す。来年の米国株相場は「逆業績相場」と「金融相場」が混在するような展開になる。言い換えると、景気・業績の見通しと利下げ期待の綱引きだ。ここで問題になるのがすでに今年後半の相場が、その様相を呈してきていることだ。なにが問題かといえば、業績予想がじゅうぶんに高まらないうちに利下げ期待で株価が上がり、株価が割高になっていることである。業績予想は確かに改善している(図表4)。
しかし、金利見合いでは全然足りないのである。イールドスプレッドは過去平均の3%に対して1%前後。現状の金利のもとでは圧倒的に株価が割高だということだ。
これが2024年の株式相場の大きな課題である。この問題にどうやって相場は折り合いをつけていくのだろうか。常識的には、米国株はマイルドな金利低下に反応するが(すでに織り込んで割高だから)、過剰には株価は上がらず、やはりモデレートな上昇にとどまる。
そうしたなか、米国の状況とは景況感も金利環境も異なる日本株がデカップリングして強い上昇を演じられるか。辰巳天井の格言どおり、高値を目指す展開を期待したい。無論、辰巳天井のその先の高値へと続く2024年の相場として、である。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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