“歴史的な円安”がはじまった2022年はどうだった?
ちなみに、1年前も大きく米ドル買い・円売りに傾斜したポジションは、11月以降縮小に向かいました。感謝祭が終了した後もその動きは続き、結局年明けまで米ドル買い・円売りポジションの縮小が続きました(図表4参照)。これは米ドル/円の下落が続いた影響と考えられます。
2022年は、11月はじめには150円近辺で推移していた米ドル/円でしたが、結果的に年末時点で130円までの大幅下落となりました。これは、米ドル買い・円売りポジションからすると利益の縮小、または損失への転換をもたらす可能性があるだけに、ポジションを手仕舞う動きが続いたと考えられます。
そもそも年末にかけては、損益を確定する動きが強まります。こういったなかで1年前の場合は、年末にかけて米ドル買い・円売りポジション手仕舞いに伴う米ドル売り・円買いが強まり、それ自体がさらなる米ドル/円の下落をもたらすこととなった結果、約2ヵ月で約20円もの米ドル/円の大幅下落につながったのでした。
以上を参考にすると、今回の場合も、年末にかけて新たな米ドル買い・円売りリスクを取る動きは弱まりそうです。その結果、米ドル/円の上昇余地は限られてくるのではないでしょうか。
逆に、大きく米ドル買い・円売りに傾斜したポジションの整理は、感謝祭終了後の今週以降も続く可能性があるため、きっかけ次第では米ドル/円の下落リスクが高まる可能性もありそうです。

