投資は、頭のきれる偏屈者に有利なゲーム
デービスの話で思い出したのは、モニッシュ・パブライが無報酬で働きたいと申しでたのを、バフェットがやんわりと断った話だ。「……そしてわかったのは、ひとりでやるとじつにうまくいくということです」 。たしかにバフェットは、オマハの事務所にこもってブラインドをおろし、年次報告書を嬉々として読むことで知られる。
ただし、こうした話とは別に、例外や微妙にちがう逸話もたくさんある。優れた投資家がそろって人とちがう気質を抱えているとか、孤独な人生を送っているとか、決まって離婚するなどと(とはいえ、離婚した大物投資家はたしかに多く、マンガーやミラー、パブライ、ビル・アックマン、カール・アイカーン、デイビッド・アインホーンほか、多数いる)言うつもりはない。それは誇張にすぎる。変わった癖や奇抜さを病的と見なすのもばかげている。
ただし、このような断り書きや免責条項を書いてもなお、本書に登場する投資家全員が、集団行動をしない自由な発想をする人たちであるのはたしかだと思う。黙ってみなが従ってきた慣習を無視できるという、まれな素質が備わっている。社会的に受けいれられたり認められたりするより、正しくあることや勝利することのほうをずっと重視するのだ。
ファースト・イーグル・インベストメント・マネジメントで1,000億米ドル超を運用するマシュー・マクレナンは、自分の仕事をこう説明する。
「来る日も来る日も、世のなかがどう動いているのかを、下から見上げたり上から見下ろしたりして、なんとかつかもうとし、大多数が暗黙のうちに了解している見方とはちがう切り口から全体像を組みたてようとする。要するにわれわれは、世界をちがうプリズムで見ることに対して金をもらっているのだ」
市場に勝つ唯一の方法は、市場の流れから外れることだ。それは文字どおり、知的にも気質的にも並外れている人間にぴったりの仕事だ。だから、頭のきれる偏屈者に有利なゲームなのはおそらく当然だろう。私の知る範囲では、サー・ジョン・テンプルトンほど頭がきれて偏屈な人物はいなかった。
割安株投資(バリュー)をグローバルに展開したパイオニアのテンプルトンは、現代の投資家にも参考になる一連の原則と実践手法をひとりで編みだした。そして彼は、2008年に95歳で亡くなっている。
金融ジャーナリスト
ウィリアム・グリーン
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