(※写真はイメージです/PIXTA)

これまで病院内の内線電話として広く使われてきたPHS。サポート終了や端末の入手自体が難しくなってきたことから、中小病院も含めてスマートフォンへの移行が進んでいます。本記事では、院内スマホのメリットや移行の際ののポイントについて、大分赤十字病院・院長の福澤謙吾氏が詳しく解説します。

アンケート結果にみる、病院内スマートフォンの組織内浸透

当院では、スマートフォンの利用実態調査(アンケート)を行っております。結果からまず見えたのが、チャット機能がしっかりと浸透していることです。

 

スマートフォンにログインした人を母数(100%)とした場合、5月・6月・7月にかけてのチャット利用率はいずれも90%前後と高い水準で推移しており、さらに各月とも電話利用率をわずかに上回っていました。

 

同じモデルの病院内スマートフォンを導入した他院と比較しても、当院は高いチャット利用率を示しておりました。

 

さらに当院の職員103人を対象とする追加調査(2023年8月)を実施したところ、勤務中にスマートフォンを利用する頻度として、「常に使用している」が67%、「たまに使用する」も含めますと、「活用している」が96%でした。

 

また、「実際にチャットを利用するようになって電話の使用頻度に変化があったのか」という設問に対しては「減った」が92%であり、またチャットによるコミュニケーションの満足度では「満足している」が75%でした。電話からチャットへの移行がおおむねスムーズに行われていると考えられます。

 

出所:著者作成
[図表4]チャット活用の影響と満足度 出所:著者作成

 

では、チャット機能が電話に比べてよかった点についての回答をみると、「相手の状況を気にせずにコミュニケーションが取れる」が7割以上であり、「記録が残るため、情報を確認しやすい」「相手がメッセージを読んだかを確認できる」などの回答が続きました。詳細は次のとおりです。

 

出所:著者作成
[図表5]チャットコミュニケーションの優位性 出所:著者作成

 

一方、チャット利用に対して不便と感じたことがある回答者が38%いたのも事実です。

 

どういった点で不満を感じたかといえば、「夜中にチャットが入り、時間の概念や、配慮が少なくなる傾向がある」「チャットをしても反応がないときがある」「打つのに時間がかかるため、電話のほうが早いと感じる」といったものでした。

 

筆者の考えでは、これらは決定的なネガティブ要素というよりは、院内ルールの徹底や、運用の部分で解決できることも多いのではないかと推察しています。このような厳しい意見を受け止めていく必要もありますが、時間とともに徐々に改善傾向にあることも感じています。

今後の病院内スマートフォン活用の方向性

病院内スマートフォン、特にそのチャット機能を活用することの意義をまとめますと、やはり以下の3つの大きなメリットがあると思います。

 

1.コミュニケーションストレスの軽減

ここは生産性向上などのさまざまなメリットにつながっていきます。

 

2.確実な情報共有

グループ診療を進めていくうえで、確実に情報が共有されていることは重要です。この点においても目に見える改善ができました。

 

3.これまでよりも目の前の診療や看護に専念できるように

電話による業務中断が減ったことで叶えられました。

 

これからスマートフォンをさらに有効に活用していくことは、「医師の働き方改革」を推進していくうえで「肝」になると考えております。

 

当院では2024年に電子カルテの更新を行いますので、まずはスマートフォンと電子カルテを連携し、電子カルテのオーダリングをモバイル端末1台で可能にするところまでを期待しております。

 

出所:著者作成
[図表6]チャットを活用したことで得られた3つのメリット 出所:著者作成

 

 

福澤 謙吾

大分赤十字病院

院長

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

注目のセミナー情報

​​【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』

 

【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!

 

​​【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画

《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら

※本記事の著者である福澤謙吾氏は2023年9月8日には「コトセラ・ウェビナー」(

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録