社長「今期は、前期の10%アップだ!」←この経営目標では売上が上がらないワケ【経営コンサルが解説】

社長「今期は、前期の10%アップだ!」←この経営目標では売上が上がらないワケ【経営コンサルが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

経営者なら誰でも、会社の売上を上げるために日々試行錯誤を繰り返しているでしょう。そのようななかでもし、「いろいろ取り組みはしているが、思ったように売上が上がらない」という場合、なにか見逃している点があることも多いと、仕組み経営株式会社の取締役・清水直樹氏はいいます。本記事では、売上を上げるための具体的な方法について詳しく解説します。

取引当たり単価を上げる

取引当たり単価を上げることは、売上のみならず、利益にも大きな影響を与えます。取引当たり単価を上げるには、以下の3つの選択肢が考えられます。

 

1.商品はそのままで価格を最適化する

いま自社で販売している商品の価格をどのようにして決めましたか? 競合商品がたくさんある商品であれば、だいたい相場が決まっているので、競合と同じくらいにしたかも知れません。一方、世の中に類似商品が無い場合、意外と社長の勘や感覚で決めているケースも多いです。実は本来、もっと高い値段でも販売できるのに、安易に値決めしたばかりに低い利益率にとどまっているケースもあります。

 

値決めは経営といわれているとおり、価格は重要なのです。売価1,000円、原価500円の商品があった場合、1個売れば粗利益は500円です。ここから売価を20%アップさせると粗利は700円となり、40%ものアップとなるからです。

 

2.既存商品のバージョンアップをする

既存商品を少しバージョンアップさせることで、より高い価値を感じてもらい、単価を上げることもできます。以下はそのいくつかの方法です。

 

機能を変える

facebookは当初、男女のマッチングサイトとしてスタートしたことは有名です。その後、ハーバード大学内での交流を促すSNSへと進化し、さらに他大学へと展開し、最終的には誰でも参加できるSNSになってブレイクしました。このように、機能を改善していくことで、新たな顧客層を獲得したり、より高い金額で販売できるようになります。

 

提供方法を変える

商品の提供方法を変えることでも単価を上げることができます。たとえば、研修会社の場合、いままでオンラインで提供していた内容をオフラインにすることで価格は上げられます。

 

市場を変える

商品そのものにそれほど手を加えなくても、対象市場を変えることで単価が上がることがあります。典型的なのは、いままで個人向けに販売していたものを法人向けに提供する方法です。また、逆に法人向けに販売していたものを個人向けに販売することもできるでしょう。

 

デザインを変える

商品デザインは、知覚価値(製品に対して抱く品質や費用に対する総合的な価値判断)に大きな影響を与えます。アップル社の商品が高くても売れるのは、優れたデザインにあるところも多いです。

 

パッケージを変える

商品自体は変えずに、パッケージだけ変えて付加価値を高めることも効果的です。

 

名前を変える

名前も知覚価値に影響を与える大事な要素です。名前を変えただけでヒット商品になった事例は数多くあります。

 

見せ方を変える

特に新しいカテゴリーの商品の場合、その商品が一体なんなのかを消費者が理解するまでに時間がかかります。カップヌードルが発売された当初、画期的な商品であるにもかかわらず、実はたいして売れなかったそうです。そこで、いままで麺売り場に置いていたのを止めて、スープ売り場に変えたところ、爆発的に売れるようになりました。

 

麺売り場に置いていたときには、おいしい麺を食べたい人がたちがやってきます。そのようななかでは「インスタント麺なんて」と目に入らない人が多かったのです。一方、スープ売り場には、手軽に小腹を満たしたい人が来ます。そんなニーズにカップヌードルはぴったりだったのです。

 

このように、その商品はいったいなんのニーズを満たすのか、なんの代替になるのかを示すことで高い価値を感じてもらうことができます。

 

3.オプションを用意する

取引単価を上げるために昔から使われている方法が、オプションを用意することです。マクドナルドのポテトセットや松竹梅モデルなどは有名です。ほかにも、まとめ買いを提案する、上位顧客向けの特別商品を用意する、顧客が商品の使用前後で必要とするサービスを提供する、などやれる方法はたくさんあります。

 

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