売上を上げるための3つのポイント
最初に全体像から考えてみましょう。売上を上げることはある程度、科学的に可能です。というのは、売上を上げるために必要な施策は世の中にあふれているからです。それらを試し、効果があったものを伸ばしていく計画を立てればよいのです。これはテストを繰り返すことで科学的に実行可能です。
一方、すべて科学で解決するかというとそうでもありません。実際に集客や販売に携わるのは会社の社員であり、彼らの心を動かさなければいくら計画を立てても、実行されません。また、売れる商品を生み出すのもすべて科学というわけではなく、創り出す人の情熱や商品デザイン、ネーミングなどのアート的な要素が入ってきます。
それを踏まえたうえで、売上を上げるために見るべきポイントは大別すると次の3つになります。
1.売上の目標
売上を上げたいと思ったとき、「ではそれくらい売り上げを上げたいのか?」を明確にするのが最初の1歩です。明確な目標が無い限り、次の販売計画もたちませんし、必要な組織を組み立てることもできません。
2.販売計画
目標に基づいて販売の計画を立てます。ここは科学的に行います。目標を細かく、実行可能な打ち手へと分解していきます。
3.組織
販売計画を実行に移す組織を設計します。多くの場合、「目標⇒販売計画」までは完璧にロジックで組み立てることができます。しかし、それを実行できるかどうかは別問題になります。そのため、やり切る仕組みを組み立てる必要があります。次から詳しく見ていきましょう。
売上を上げる方法1:目標の設定
目標の必要性はいまさらいうまでもないかも知れません。しかし、漠然と売上を上げたい、というよりも、いつまでに〇〇事業を〇〇円にする、と明確に宣言することが大切です。明確な目標があることによって、
・組織全体に統一感を与え、みんなの力を1つに向かわせることができます。
逆にいうと、明確な目標がなければ次のようなことが起こります。
・「どうせ社長の掛け声だけだろう」と思われてしまい、誰も数値責任を負おうとしない。
・広告宣伝費にいくら投資すべきかなどの予算計画が立てられない。
目標の立て方
目標の立て方は1つしかありません。それは次の質問をすることです。
つまり、未来を基軸として今期(来期)の目標を決めるわけです。世の中の大半の会社はこれとは逆の決め方をしています。つまり、いま現在を基軸に「今期(来期)は、前期の5%アップだ、10%アップだ」と決めています。言っては悪いですが、経営計画の相談を税理士さんにしている社長はほぼこのような現在機軸の目標の立て方をしています。
現在機軸の目標設定が問題なのは、その目標になんの根拠も無いからです。5%アップや10%アップという数字はどこから出てきたのでしょうか? 世の中の会社がそれくらい成長しているから? 去年それくらい成長したから?
大半の会社では、特に根拠もなく、前期と同じでは恰好が付かないので、5%成長にしておこう、というような考えで目標を決めています。非常に受身的な考え方といえます。
売上の目標はビジョンから逆算
社長はまず自社の向かう先を決めなくてはなりません。それがビジョンです。「自社は将来、このような会社になり、社会にこんなインパクトを与える」というビジョンがなければ、社員の誰も協力しようとは思わないものです。
前年比〇%アップというような目標であれば、社長でなくても立てられます。毎年、エクセルで自動的に5%アップの目標と計画を立てればいいだけです。これでは社長が存在している意味がありません。社長が会社に対してできる最大の貢献は、みんなが前のめりになるような「理想」を創造することなのです。
ビジョンを決めたら、次に今期(来期)やらないといけない達成目標を決めます。これが起業家的な会社が行っている目標設定の仕方です。
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