「OJT」で指導員に放置される新人続出…中小企業が「人材育成」で失敗する根本原因【経営コンサルが解説】

「OJT」で指導員に放置される新人続出…中小企業が「人材育成」で失敗する根本原因【経営コンサルが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「社員に仕事を教えるのが苦手」「人を育てるのが苦手」といった悩みを持つ中小企業の経営者は少なくありません。中小企業が人材育成でつまずいてしまうのには、どのような原因があるのでしょうか。本記事では、人材育成に失敗する理由とともに育成のポイントについて、仕組み経営株式会社の取締役・清水直樹氏が解説します。

「人を育てる」とは?

「人に仕事を教えるのが難しい」「人を育てるのが苦手」という経営者の声をよく耳にします。「なぜ人が育たないのか」を考える前に、まずは人を育てることの目的を確認しておきましょう。

 

世の中には実に多くの社員研修プログラムや人材育成のノウハウやセミナーが存在します。しかし、それが本来の目的を達成することにつながらなければまったく意味がなく、お金と時間の浪費となってしまいます。

 

人を育てる目的

 

[図表1]仕事に求められる能力と現在の能力のギャップ

 

会社経営において、人を育てることの目的とは「仕事に求められる能力と現在の能力のギャップを埋めること」です。それによって、会社の業績向上につながるわけです。

 

業務に求められる能力と社員の能力にギャップがあれば、顧客対応や商品開発などに支障が生まれ、結果として業績に悪影響がありますから、この定義を曖昧なままにしておかないようにしましょう。

 

世界的な有名企業ほど「仕事に求める能力を下げること」に尽力している!?

そのうえで、まず意識してほしいことが「仕事に求められる能力を低くする」ということです。考えてみれば当たり前の話なのですが、仕事に求められる能力が低ければ低いほど、人を育てるのは簡単になります。

 

ところが、ほとんどの中小企業は職人気質の、しかも能力が非常に高い社長が率いています。そんな「ハイスペック」な社長が社員にも同じような能力を求めるため、人が育たなくなってしまうわけです。

 

実は、世界的に有名な企業であるほど仕事に求められる能力を低くすることに尽力しています。

 

なぜなら、能力が高くなければできない仕事が多ければ、それをこなせる人材を探すのも大変ですし、見つけたとしても給与が高くつくからです。彼らは「世の中のほとんどの人は普通の人である」と知っているのです。

 

「仕事に求められる能力」を下げるのは経営者の仕事です。今回は、人が育つ会社の特徴や効率的な人材育成法、その仕組み化についてご紹介していきます。

 

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