(写真はイメージです/PIXTA)

10月27日、欧州中央銀行(ECB:European Central Bank)は政策理事会を開催し、金融政策について決定しました。本稿では、ニッセイ基礎研究所の高山武士氏が、ECB政策理事会での決定及び発表について解説します。

質疑応答(任期前半の振り返り・スペインについて等)

・言及ギリシャ国債が適格となった現在、APPに含まれるのか。再投資を再開すると仮定したらどうか

  • 仮定の話はしたくない

 

・かつては貯蓄が重要な概念だったが、ギリシャのようなユーロ圏の多くで預金金利はほとんどゼロでありインフレ率よりも低い一方、貸出金利は急激に上昇している。これに対するコメント、および状況を変えるためにできることは何か

  • 我々の仕事は銀行やその他の機関自身が資金調達をする際の金利を設定することである
  • ユーロ圏のいくつかの国で発生しているこの課題は、各国当局や消費者自身の力、競争当局によって解決策がもたらされるものであり、ECBや各国中銀が行動できる分野ではない

 

・任期の前半を終えようとしていることについて。この4年間で後悔していることはあるか、また特に誇りにしていることはあるか

  • 後悔していることはない
  • 時には意見が異なるが、使命を達成しようとする共通の思いがあり、質の高い議論や意見交換、異なる見解を提示して、互いに納得させようとし、なんとか結論を出す
  • これは大切にすべきことで、反対意見のために人々が無意識に不合理な方向に進む世界においては、至宝である

 

・スペインでは、政権を樹立しようとしている政党が銀行に対する課税延長について提案したが、この税が公表された際、ECBは反対意見を発表している。この論点に対する意見は

  • (デギンドス副総裁)この種の課税は、貸出や信用増加や銀行の支払能力を損ねるものであってはならない、というのが我々の良く知られた評価である
  • リトアニア、スペイン、イタリアの承認されたケースにはそのような処方箋が含まれていた

 

・一部の人は、現在の利上げサイクルがピークに達したと推測している。今日の決定はそのように解釈できるのか、それとも扉は開かれているのか

  • ピークに達したと判断するつもりはない
  • データ次第であり、会合ごとに3つの基準、インフレ見通し、基調的なインフレ率、金融政策の伝達の強さを評価する

 

・本日の議論について教えて欲しい。前回会合の議論からは理事会の異なるグループ間の相違が、過去と比較して拡大している印象を受ける。この解釈は正しいか

  • 全会一致で決定がなされており、一般的には相違が拡大したとは言えないだろう
  • 金利据え置きという重要な決定においては、すべての中銀総裁と理事会メンバーで全般的な合意がされた

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年10月27日に公開したレポートを転載したものです。

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