社長の熱い思いが詰まった「経営理念」…社員に定着しない根本原因と、浸透させるための8つのステップ【経営コンサルが解説】

社長の熱い思いが詰まった「経営理念」…社員に定着しない根本原因と、浸透させるための8つのステップ【経営コンサルが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

社員数が増加するなど、企業規模が大きくなってくると、はじめは社員1人ひとりがしっかり共感してくれていた「企業理念」ががだんだんと薄らいでいくことはよくあるケースです。では、そうしたケースではなにが原因で定着していないのでしょうか? また、社員全員に企業理念を浸透させるにはどうすればよいのでしょうか? 仕組み経営株式会社の取締役・清水直樹氏が詳しく解説します。  

理念浸透方法とステップ

では、理念浸透方法とステップを具体的に見ていきましょう。

 

ステップ1:理念体系を決める

組織の理念を具体的に定義し、その体系を構築します。体系とは、

 

・MISSION(存在意義)
・VISION(将来の自社のあるべき姿)
・CORE VALUE(働くうえで大切にしている価値観)

 

のように、自社の理念を構成する要素とその定義を明確化することです。

 

ステップ2:理念成文化チームを作る

理念の成文化を担当するチームを組織内に編成します。このチームは、理念の策定や文言の作成に関わり、組織全体に浸透させるための活動をリードします。チームを作る理由は、共有されやすい理念を作るためです。

 

■理念そのものと同じくらい、どう創るかが大事

理念を浸透させるというと、経営者が作った理念があって、これを社員に植え付けていくというイメージがあるかと思います。

 

しかし、本当は理念を共有するという言葉のほうが、ぴったりくるのではないでしょうか。理念を浸透させるというのは、ピラミッドの上から理念を浸透させていく感じですが、理念を共有するというのは、まず社長自身が思いがあり、それを共有できる仲間をどんどん増やしていくというイメージになります。

 

そこで、大切なのは、みんなが共有している思いがなんなのかを発見していくということになります。そうすると必然的に最初の作る段階から、ある程度共有されている理念ができますので、社内で共有していくのも簡単になるのです。社員を巻き込んで理念を作っていくことで、自然と共有されるような理念になっていくということです。

 

ステップ3:ドラフトを成文化する

理念のドラフト版を作成します。チームメンバーや関係者と協力し、理念文言を起草します。この段階では、フィードバックや意見交換が行われます。

 

仮面を被った理念は機能しない

理念が浸透しないという社長に多くあるパターンとしては、理念が仮面を被っているということです。社員の数が増えてくると、社長は理念を作ろうと思って作り始めるんですけれども、その理念が自分の本心から出ていないということです。

 

社長たるもの、経営理念ぐらいは作っておかなきゃいけないとか、これだけの規模になったんだから理念っていうのはあって当然だろ、というような外部からの圧力によって作られた理念です。これを仮面を被った理念と呼んでいます。

 

仮面を被った理念は、作ったとしても共有するのは難しいです。そこで大切なのが、創業者自身の実際のストーリーから生まれた理念であるということです。

 

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