大家族主義経営とは?
「大家族主義の経営」とは、人の喜びを自分の喜びとして感じ、苦楽をともにし、お互いを尊重し助け合う家族のような信頼関係を基盤に、社員の物心両面の幸せを追求する経営手法です。
京セラ創業者稲盛氏が提唱した考え方として知られていますが、もっと古くには出光興産創業者の出光佐三氏が社是の1つとして大家族主義の経営を掲げています。
大家族主義経営のメリット/デメリット
「大家族主義経営」は、多くのメリットを持つ一方で、間違った形で実践しようとすると、一部のデメリットも存在します。以下に見てみましょう。
メリット
まずメリットを見ていきましょう。
■組織の一体感
大家族主義経営では、社員全体が一体となって組織の目標に向かって働くことが期待されます。これにより、組織全体の一体感が増し、労働生産性が向上する可能性があります。
■社員のモチベーション向上
経営者が社員1人ひとりを家族のように扱い、その成長と幸せを重視することで、社員のモチベーションや満足度が向上します。
■コミュニケーションの円滑化
社員間の信頼関係が深まることで、意見交換や情報共有が円滑になり、組織全体の問題解決力や決定力が向上します。
■社員の満足度とロイヤリティの向上
社員が経営者から尊重と支援を受けることで、社員の満足度とロイヤリティが高まります。これにより、社員の定着率が向上する可能性があります。
デメリット
大家族主義にあこがれて、安易に実践しようとすると、以下のようなデメリットも発生しがちです。
■決定速度の低下
組織全体で意見を尊重し合う大家族主義では、全員の意見を取り入れるために、決定が遅くなる可能性があります。これは特に、素早い対応が必要な状況で問題となることがあります。
■個人の自立性の阻害
すべての社員が密接に連携し、サポートし合う環境では、個々の社員の自立性や創造性が阻害される可能性があります。自己主張が抑制され、異質なアイデアや新たな取り組みが評価されにくくなるかもしれません。
■組織内のコンフリクト
一部の社員が大家族主義の理念に完全に賛同できない場合、組織内での摩擦やコンフリクトが生じる可能性があります。これは組織の一体性を低下させ、パフォーマンスを阻害する可能性があります。
■適切な評価の難しさ
組織全体が一体となって目標に向かうなかで、個々の貢献を正確に評価し、適切に報酬を分配するのが難しくなる可能性があります。
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