IT人材の不足「実感」が「実感せず」の4倍
調査はZenkenが全国のITエンジニアを対象に7月28~30日に実施し、200件の回答を得た。アンケートで「IT人材の不足を実感しているか」と聞いたところ、「はい」との回答が64%にのぼった。「どちらともいえない」は20%、「いいえ」と答えた人はわずか16%にとどまった。これは、「IT人材の不足を実感している」と回答した人が「人材不足を実感していない」と答えた人の4倍もいたことを示している。
IT人材の不足を実感していると答えた人に、理由を聞いたところ、最も多かったのは「必要なスキルを持っている人が社内で見当たらないから」(52.3%)との声だった(複数回答)。一般的なITスキルを持っていない人が少ないことに加え、IT人材でも会社の業務に必要とされるスキルを持っている人材も不足していることが伺える。
「IT人材が採用できない」も35%超
2番目に多かったのは「IT人材が採用できないから」で、35.9%に達した。日本では少子・高齢化に伴う生産年齢人口の減少で、ただでさえ採用が難しくなっている。IT人材を含めた有能な人材の確保の難しさは、現場のIT人材不足を実感させる原因となっているようだ。このほか、「IT人材の離職数が多いから」も32%だった。
「社員をIT人材に育成することが難しいから」との回答も28.9%に達した。非IT人材のIT能力を高めることができれば需給関係も緩和される。しかし、ITの専門技術はシステム設計やプログラミング、ドキュメント作成など多岐にわたる。さらに、業界によっても必要とされる専門技術がある。今後、生成AI(人工知能)などにより状況が変化する可能性もあるが、現時点では現場でIT人材を育成するのは容易ではないと言えそうだ。
「土日出勤や残業が多いなど仕事が忙しいから」との回答も20.3%と多数あった。人材不足のために、ITエンジニアらの仕事の負担が増していることも浮き彫りとなった。一般に業務量の多いITエンジニアは残業が多いとされるが、有能な人材を獲得できづらいことも、こうした傾向に拍車をかけている。
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