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給与水準では欧米に劣るにもかかわらず、インドの優秀な学生の約9割が日本での就職を熱望しています。その最大の動機は、意外にも「年収」ではありませんでした。ある調査から見えてきたのは、日本企業ならではの「仕事のやりがい」や独自の文化への強い魅力。彼らが日本を選ぶ、その本音に迫ります。

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日本で就職したい理由は「仕事のやりがい」が8割

Zenkenが2025年2月に実施したインドの工科系大学の学生へのアンケート調査によると、「米国などに比べて年収が低いと感じても日本で就職したい」との回答が9割弱を占めた。技術力の高い日本企業での仕事のやりがいなどに魅力を感じるインド人学生が多いようだ。欧米諸国の賃金インフレや円相場の下落を受けて、日本と欧米の賃金格差は鮮明になりつつあるが、なお日本での就職を希望するインドのITエンジニアは多い。

 

調査はZenkenがインド・ベンガルールなどの15の工科系大学の学生を対象に2月4~10日に実施し、1,671件の回答を得た。アンケートで「日本は米国やドイツなどに比べて年収が低いと感じるか」と聞いたところ、「はい」との回答が53.7%と過半数に達した(図表1)。一方で「米国やドイツなどに比べて日本は年収が低いと感じても就職したいか」との質問に対して「はい」と答えた学生が86.2%と大多数を占めた(図表2)

 

【図表1】
【図表1】
【図表2】
【図表2】

 

なぜインド人学生は必ずしも高い年収を期待できない日本で働きたいのか。学生たちに、年収が米国などより低くても日本で働きたい理由を聞いたところ、「仕事のやりがい」との回答が78.1%と最多だった(複数回答/図表3)。高度成長を成し遂げた日本企業の技術レベルの高さは世界的に知られており、インド人学生も仕事のやりがいがあると考えているようだ。次に多かったのは「文化(アニメなど)」で75.9%だった。アジア諸国でも日本のアニメファンは多く、日本文化に惹かれている人も多いようだ。

 

【図表3】
【図表3】

年収の条件は年収543万~723万円が最多

三番目に多かったのは「治安・安全」で61.2%だった。欧米諸国では移民政策の厳格化が進んでいる上、所得格差の拡大から都市の治安が悪化している国も少なくない。日本はなお安全のイメージが強く、多くのインド人学生は「安心して働ける」と考えているようだ。このほか、「国はどこでも良く海外で働きたい」(35.5%)、「物価が安い」(27.3%)との回答もあった。「別の海外の国で働くためのステップ」との回答も42.2%あった。

 

インド人学生に年収の条件を聞いたところ、日本での就職に興味がある人のなかで最も多かったのは「543万~723万円」で23%だった(図表4)。これは日本の平均年収(460万円程度)を上回っており、就職するには高度な能力を認められる必要がある。二番目に多かったのは「452万~543万円」で17.2%、「724万円以上」も13.9%に達した。欧米で得られるほどの年収は希望していないものの、全体としてインド人学生が日本で得たい年収は高い傾向がある。「年収に関係なく、日本での就職に興味がない」との回答も31.1%あった。

 

【図表4】
【図表4】

 

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※本連載は、ジャーナリスト・日高広太郎氏編集協力のもと作成しております。

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