リゾートバイトに挑戦。多くの人との出会いで成長
一念発起した山本さんはいったん帰郷した後、リゾートバイトに挑戦することにしました。
山本さんが、最初に勤めたのは山梨県の富士河口湖にあるレストラン。リゾートバイトの派遣担当者に「初めてのリゾートバイトだからおすすめの勤務先を教えてください」と依頼したところ、「人間関係の良い勤め先を紹介してくれた」そうです。レストランでは接客の仕事をしたり、駐車場での誘導の仕事をしたりしました。「毎日、富士山の雄大な姿を見ながら働けるのが何より楽しかった」と話します。
次に働いたのは青森県三沢市のホテル。バイキング会場での接客などを担当し、休日には、ねぶた祭や東北絆まつりなど観光も楽しみました。「私の故郷は海が近くなかったため、海に近い三沢での仕事は新鮮だった」そうです。米軍基地も近く、「ここは本当に日本なの」と思うくらい多くの外国人を見かけました。「自分も英語を話せたら良かったなとも思った」と言います。
ホテルの仕事は毎日、接客する相手も違います。「いろいろな人と出会い、環境が変わることで勉強になり、自分の成長につながっていると実感する」「毎日良い刺激を外部からもらっており、リゾートバイトに挑戦して本当に良かった」と山本さんは言います。
将来的には正社員に戻ることも
とはいえ、山本さんも安定した正社員を辞めることには収入面での不安がありました。派遣社員の場合はボーナスがないことも心配の1つでした。しかし、実際にやってみると、「給料が決まっている正社員と違い、自由度の高いリゾートバイトは、頑張れば頑張るほど収入が増えるため、やりがいがある」(山本さん)ことに気づきました。実際、現在の年収は正社員だった時とほとんど変わらないそうです。
正社員以外の働き方については、年金など将来的な収入の減少を心配する人もいます。将来設計について彼女はどう考えているのでしょうか。山本さんは「私自身も、ずっとリゾートバイトをするとは限らない。将来的には正社員に戻ることを考えている」と話します。ただ、「20代の今は多くの場所でたくさんの経験を積むことを重視している。その経験を正社員でも生かしていきたいなと思う」。山本さんは多くの選択肢を活用しながら、将来の自分を踏まえた働き方を考えているようです。
「迷っているなら挑戦してみたら」「失敗するなら若いうち」
最後に、リゾートバイトを検討している人にメッセージをお願いしたところ、山本さんはこう話してくれました。「やるかどうかで迷っているなら、チャレンジしてみたらどうか」「挑戦すれば、失敗する可能性もある。しかし、もし失敗するなら若いうちの方が良い」。
一方で、山本さんは「リゾートバイトにこだわる必要はない。自分に合わなければやめたらいい。やりたいことをやれば良い」とも話します。自分が悩んで立ち止まっている間も、時間は進んでいます。立ち止まらずに、やりたいことに向かって進んでいこう──そんな決意を山本さんの生き方に見たような気がしました。
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