ピースボートの船上からリゾートバイトへ
福井県出身の山口順子さん(仮名、64)がリゾートバイトを始めたのは2019年のことです。それまでは喫茶店の経営を経て、世界一周する「ピースボート※」の船の売店などで9年間働いていました。
※国際交流を目的とした船旅のコーディネートを主な活動とする非政府組織(NGO)
いったん船を降り、日本に帰国することにしましたが、すでに自宅は引き払っていました。「リゾートバイトで働けば、住む場所と収入が確保できる」と思い、人材紹介サービスに登録したといいます。
山口さんがリゾートバイトを意識したのは、家の確保という実利面だけではありませんでした。15歳のころから、日本一周の旅をしていたお兄さんに憧れて「自分も日本各地で働いてみたい」と思っていたからです。
旅行で観光地を巡るだけでなく、地元で働いて、「旅行以上、移住未満の生活を体験したい」「働いて、その土地をより深く知りたい」という潜在意識がありました。
「温泉に入れるところ」を中心に働く場所を選ぶ
もう1つのリゾートバイトの目的は、趣味の「温泉巡り」です。「温泉に入れるところを中心に働く場所を選んだ」という山口さん。これまで秋田、福島、北海道、群馬など11ヵ所のリゾートバイトを経験しましたが、ほとんどの場所に温泉がありました。
活動している火山の数が多いうえ、複数のプレート上に位置しているために多くの温泉が湧き出る日本。各地で働くリゾートバイトの特性をいかし、山口さんは、まるで大好きな温泉を巡るように働いてきたのです。
最も印象深かったのは、群馬県の四万温泉です。緑豊かな上信越高原国立公園のなかにある温泉地で、周辺には透き通った薄いグリーンの清流やたくさんの滝、奥四万湖などがあります。セキレイやホウジロ、キジなどのさまざまな野鳥も見ることができます。冬には氷柱(つらら)が下がり、霧氷も飛んでいました。
山口さんは紹介されたホテルで働いていましたが、「社員専用の温泉があって、いつでも無料で入れた」と言います。休日に周辺を観光するのも楽しみでした。
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