別居から15年…夫が急逝
別居してそれぞれ暮らしながら、仕事にはともに取り組んだ夫婦ですが、別居後も仕事で特段困ることはありませんでした。
一方、お互いの生活のことに対しては、細かいことまでは踏み込まなくなっていきました。仕事以外ではあまり接点のないAさんとBさんは、お互いの生活ぶりがわからなくなっていったのです。Bさんは内心ざわつく部分もありましたが、いまある落ち着いた暮らしを手放してまで、Aさんの生活ぶりを詮索する気にもなれなかったのです。
そうして15年の月日が流れました。Aさんは65歳で突然の病に倒れ、急逝します。Bさんは、悲しみと複雑な気持ちを抱えながら、Aさん亡きあとの手続きを進めていきます。苦労した事業ではありましたが、周りの仕事仲間も気にかけてくれて、無事に仕事を引き受けてくれるところも決まりそうです。
そんな矢先に驚愕の便りが届くことになるのです。
夫が亡くなってから4ヵ月後に判明した衝撃事実
Aさんが亡くなってから4ヵ月が過ぎたころ、見知らぬ名前の弁護士から内容証明が3通ほぼ同じ時期に届きました。恐る恐る開けると、Aさんに貸しているお金を返すよう求める督促状でした。Bさんとしては、なんのことかさっぱりわからず、動揺してしまいました。
一人娘に相談したところ、「実はお父さんね、お母さんと別居するようになってから、お金遣いが荒くなったみたいでね。私にもお金の無心があったのよ。言いにくかったから、言わなかったんだけど」というのです。
借金の実態ははっきりわからないのですが、Bさんは慌てて弁護士に相談します。相続放棄ができないか相談したのですが、弁護士からの回答は「BさんはAさんの葬儀の際にすでにAさんの預貯金を使われていますね。別居していたとはいえ、一緒に仕事もされています。期間も3ヵ月を過ぎていますから、いまからの相続放棄は認められない可能性があります」というもの。Bさんは意気消沈します。
まさか別居を選んだことがこのような結果になるとは、別居を選んだ当時はまったく考えもしませんでした。これから老後を過ごしていこうという段階になり、Aさんと別居して自分の人生を歩んでいたBさんに新たな難問が降りかかってきました。Bさんはどうすればよかったのでしょうか。
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