年金暮らしの60代夫婦、ついに恐れていたことが…
65歳のA子さんはガーデニングを趣味として、小さい庭ながら季節ごとに色とりどりの花を咲かせ、近所の人や道すがら散歩をする人々の目を楽しませています。
67歳の夫は大学卒業後65歳まで会社勤めをし、これまで大きな病気をすることなく、月4回程度のゴルフで健康を維持しています。夫婦には2人の子どもがいますが、2人とも隣県に嫁いで家を出ています。
それぞれに趣味があり、お互い干渉することもなく穏やかな日々を過ごしているA子さん夫婦ですが、ついに恐れていたことが起こりました。
一人暮らしの夫の母に認知症の症状が
89歳になる夫の母(89歳)は隣町で一人暮らしをしています。コロナ禍以降、自宅にこもりがちになり、明るかった性格が落ち込みやすくなり、身なりも構わなくなっていました。日々の家事もおっくうなのか、ときどきA子さんが片付けに行くものの、「物がどこにあるかわからなくなるから」と嫌がられることが多くなりました。
コロナも5類となり、義母が好きだった温泉旅行に誘っても断られるばかりです。時間が経てば解決するかと考えていましたが、いつものように様子を見に行っていた夫からA子さんに電話がありました。
「大変だ。おふくろが俺のことをおやじと勘違いしている。何度言ってもわからないし、もしかしたら認知症かもしれない」
A子さんはついに来たかと頭が真っ白になりました。確かに最近義母は物忘れの症状が出ていたけれど、加齢からくるものだと言い聞かせてしまっていたのです。
念のためその日のうちに夫が病院に連れて行ったところ、軽度の脳梗塞が見つかり、そのまま入院になりました。医師の診断によると幸い早期発見で、高齢のこともあり、手術はしなくてもよいとの診断でした。命に別状はありませんが、やはり認知症も認められました。ただし、脳梗塞の症状が落ち着いたら退院してほしいという説明がありました。
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