10月10日~16日の「FX投資戦略」ポイント
〈ポイント〉
・先週は一時150円乗せも直後に米ドル急落。ただ介入はなかった可能性が高い。
・米雇用統計発表ではNFPが予想を大きく上回ったものの、「米金利上昇=米ドル高」は限定的にとどまった。景気への「遅行指数」雇用関連統計への反応が鈍くなった可能性も。
・強い米景気は大幅な米金利上昇等で織り込まれ、むしろそんな金利上昇等が先行き景気減速をもたらす可能性に注目が移ってきた。米ドル/円は147~152円中心で予想。
先週の振り返り…介入はなかった?ではなぜ米ドル急落か
先週の米ドル/円は続伸し、一時150円の大台突破となりました。ただ直後に147円台まで米ドル急反落となり、その後は149円をはさんで方向感の乏しい展開が続くところとなりました(図表1参照)。
150円台を突破した直後、147円台まで米ドルが急反落するといった乱高下が起こったのは火曜日のことでした。突然の米ドル急落ということで、約1年振りに日本の通貨当局が米ドル売り介入に出動した可能性も注目されましたが、結論的に言うと介入はなかったでしょう。
そう考える根拠のひとつは、米ドル/円の値動きです。2022年9~10月に米ドル売り・円買い介入は3回行われましたが、介入後に米ドル/円はいずれも5円前後の急落となりました。一方で、介入の噂が流れたものの、実際には介入がなかったケースも何度かありましが、その時の米ドル/円反落はせいぜい1~2円にとどまりました(図表2参照)。
今回介入の可能性が注目されたのは10月3日でしたが、この時の米ドルは最大で2.5円程度の下落にとどまりました。上述のような約1年前の介入後の値動きと比較すると、今回の米ドル下落は小幅にとどまっていたわけです。
為替介入については、原則的に1ヵ月以上経過したところで財務省が公表するルールとなっています。ただ、それ以前に推計する方法がいくつかあり、そのひとつが日銀の資金需給見込みを活用するものです。この場合、介入が行われた2営業日後には推計が可能となります。
2022年の米ドル売り・円買い介入は9月22日が2兆円、10月21日が5兆円、そして10月24日が7,000億円といずれも巨額に上ったので、日銀の資金需給見込みと実績にズレが生じ、それが介入実績の可能性となるわけですが、これで見ると今回見込みと実績では大きな違いは生じませんでした。
以上からすると、今回介入はなかったか、あっても小規模にとどまったという結論になります。ということは、約1年前のような大規模な米ドル売り介入がなかった可能性が高いにもかかわらず、米ドルは一時的とはいえ2円以上の急落となったわけです。それだけ投機的な米ドル買い・円売りに大きく傾斜し、反動も入りやすくなっていたということではないでしょうか。
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