※画像はイメージです/PIXTA

通常、遺産の分配は家族の話し合いによって決められますが、ときには取り分をめぐってトラブルになる場合もあります。しかし、遺産分割については、誰にどれくらい分配できるかという目安があらかじめ決まっています。このルールを知っておけば、ある程度遺産争いを避けることができます。本記事では、遺産相続で誰にいくら分配できるかについて解説していきます。

遺産分割協議の内容は遺産分割協議書に記録する

遺産分割協議で遺産を誰に、いくら、どうやって分配するかがまとまれば、その内容を遺産分割協議書に記録します。遺産分割協議書は、遺産分割協議の合意内容を書面に記録してトラブルを防ぐ役割があります。遺産相続のあらゆる手続きで提出が求められるため、必ず作成しておきましょう。

 

・預貯金や株式については金融機関名・支店名・預金種別・口座番号を記載する

・不動産については登記簿謄本の記載事項のとおりに記載する

・相続人全員が自筆で署名して実印を押印する

 

自筆の署名は必須ではありませんが、提出先によっては自筆の署名を求められる場合があります。あとで作り直すことにならないように自筆で署名しておくことをおすすめします。

 

[図表9]遺産分割協議書の作成例

もめた場合は家庭裁判所の調停・審判へ

遺産の分配をめぐっては、相続人どうしの遺産分割協議がまとまらず争いに発展することもあります。当事者どうしで解決ができない場合は、家庭裁判所に持ち込んで解決を図ります。家庭裁判所ではまず遺産分割調停が行われ、調停でも解決できない場合は遺産分割審判に移行します。

 

[図表10]遺産分割協議から遺産分割審判までの流れ

 

遺産分割調停は、第三者である調停委員が仲裁することで当事者どうしでの解決を図ります。1回の手続きで終わるものではなく、何回か家庭裁判所に出向く必要があります。解決までの期間は平均して1年弱ですが、半年以内に解決することもあれば1年以上かかることもあります。

 

遺産分割調停で解決できない場合は、調停は成立せず遺産分割審判に移行します。遺産分割審判では、裁判官が申立人と相手方の双方の事情を聞き、証拠をもとに遺産分割の方法について審判を言い渡します。審判に移行した場合は解決までにさらに長い時間がかかり、調停を申し立ててから1年以上かかることが大半です。長い場合では3年以上かかることもあります。

 

なお、遺産分割審判に移行すると、結果として法定相続分で遺産を分けるように落ち着くことがほとんどです。長い時間をかけて争っても遺産の分配はそれほど増えない結果になります。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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