(※写真はイメージです/PIXTA)

自己破産は、借金によって生活困難に陥った方にも再チャレンジの道を与えるという債務整理の方法のひとつです。失敗してもやり直せる社会であることが、社会全体の利益につながるという考えに基づく制度です。しかし、借金を返済してもらえないという債権者の犠牲のうえに成り立つ制度であるため、恩を仇で返すような行動をすれば、そのしっぺ返しは大きくなります。実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、自己破産手続中のあるべき行動について、永野達也弁護士に解説していただきました。

自己破産申立中に彼女と海外旅行はアウト?

相談者のヤサラニさん(男性・仮名)は、ギャンブル好きで浪費を重ね、自己破産の申立てを行いました。

 

反省はしており、今後はお金の使い方も見直し、浪費もやめて計画性を持ち、経済的に立ち直ろうと心に決めています。

 

ところが、そんなさなか、相談者は彼女と海外旅行に行くというのです。相談者としては「半年前から予約しており、キャンセルできない」というのが、旅行を強行する理由のようです。旅費は破産が終わるまでは彼女が立て替えるとのこと。

 

相談者の場合、破産の要因がギャンブルのため、破産管財人がつきます。自己破産のために免責を許可してもらうなら、旅行は中止すべきと相談者も認識はしています。

 

そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点について相談しました。

 

(1)内緒で旅行に行った場合、破産管財人が動向を調査することはあるのか。

 

(2)もし旅行に行く場合、関係者に許可を取れば大丈夫なのか。

 

事前の許可なく海外旅行をしたことが発覚した場合

ギャンブルや浪費が原因で自己破産を申し立てる方は、少なくありません。「ギャンブルや浪費が原因だと、破産できない」といった誤解をしている方も多いので、まずはこの点からご説明します。

 

自己破産によって借金の返済義務をなくす(免責を受ける)ためには、免責許可決定を受ける必要があります。そうであるところ、ギャンブルや浪費が破産の原因であることは、免責許可決定を受けられない事由(免責不許可事由)に該当します(破産法252条1項4号)。

 

しかし、免責不許可事由がある場合であっても、裁判所の裁量によって免責許可決定が受けられることがあります。これを、裁量免責といいます(破産法252条2項)。

 

裁量免責がされるか否かは、「破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して」判断されます。具体的には、ギャンブルや浪費の態様、程度、時期、金額のほか、その後の態様(現在に至るまで継続しているか否か)等が考慮されます。

 

裁量免責の判断はケースバイケースであるため、実務上は、同種事案との比較検討によって裁量免責の見込みがどの程度あるかを検討します(原雅基「東京地裁破産再生部における近時の免責に関する判断の実情」判例タイムズ1342号4頁、平井直也「東京地裁破産再生部における近時の免責に関する判断の実情(続)」判例タイムズ1403号5頁等参照)。

 

もっとも、ギャンブルや浪費が原因の場合、裁量免責が認められなかったケースは、大半が真摯に反省しておらず、ギャンブルや浪費を継続していたり、借入金の使途について説明をしなかったりしたことが考慮されています。したがって、真摯に反省していれば、基本的には裁量免責が認められると考えられます。

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