前回は、宴席などでの「無礼講」が免疫力アップにつながる理由を説明しました。今回は、「カラオケ」が免疫力アップにつながる理由を見ていきます。

ストレス解消だけでなく、腹筋の運動にも!?

筆者は、免疫力を上げる効果的な方法の一つとして、日本文化にすっかり根付いている「カラオケ」を高く評価しています。

 

まず、大きな声を出すことや、好きな歌を歌うといった行為が、幸せホルモンのβ‒エンドルフィンの分泌を促し、ストレス解消になります。また、お腹の底から声を出すようにすれば腹筋運動になりますので、腸に刺激が与えられますし、呼吸も深くなり、リラックスします。

 

これらのことから腸管免疫にも、全身の免疫にも良い影響がもたらされると考えています。

仲間と一緒に盛り上がることで、思考も感情もプラスに

昨今は「一人カラオケ」も人気があるようですが、せっかくのカラオケなら、気のおけない仲間と一緒にわいわいと楽しんで歌う方が、免疫力アップの観点からいえばより効果的です。

 

というのも、仲間が大勢いれば、自分が歌っている時間以外にも楽しい話で盛り上がるなど、周囲とのコミュニケーションを通して、β‒エンドルフィンの分泌が促されるからです。

 

また、「歌詞を間違えずに歌おう」とか「高得点を出そう」といったように、目標を持つことも張り合いになり、脳への良い刺激となります。また、一人でもくもくと歌い続けるよりはグループで過ごす方が、自然と動作も大きくなり、活動的になります。

 

そうすれば血液循環も良くなりますので、免疫細胞の〝めぐり〟もスムーズになり活性化する、というわけです。

 

カラオケを趣味にしていれば、地域のお祭りなどで開かれる「カラオケ大会」のようなイベントからお誘いがかかるかもしれません。そうなれば、晴れ舞台で拍手かっさい、褒められたい、目立ちたいといった意欲も出てきます。

 

意欲を持って取り組むことは、プラス思考やプラスの感情をわき起こさせ、身体も活動的になりますので、免疫力アップにつながるのです。

 

中には、自分は歌が下手でカラオケはしない、という人もいるでしょう。その場合は、歌うことにこだわらず、大きな声を出すだけでも、腹筋が鍛えられストレス発散にもなり、免疫力の向上が促されます。

 

周囲の目が気になり、恥ずかしいという場合は、深呼吸をしてみましょう。朝起きたときや、一息つきたいときなどに、いつもより深く呼吸をします。できるだけゆっくり、大きく息を吸い、吐くときもゆっくりと、息を吐き切るのがポイントです。

本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『健康寿命を10年延ばす 免疫力の高め方』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

健康寿命を10年延ばす 免疫力の高め方

健康寿命を10年延ばす 免疫力の高め方

小田 治範

幻冬舎メディアコンサルティング

ストレスや運動不足、タバコに偏食……。免疫力は年とともに下がるだけでなく、日常生活の行動も低下の要因となります。今や日本人の健康は免疫力に左右されていると言っても過言ではありません。本書では、予防医学の観点から…

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