自律神経の乱れが、腸の「蠕動運動」の妨げに
便秘になると悪玉菌が増えやすくなり、悪玉菌が増えると便秘になりやすくなるという悪循環が起こります。まずはスムーズな排便を促すことが、腸管免疫、ひいては全身の免疫力アップの第一歩といえるでしょう。
腸が便として排泄する老廃物は、体内の老廃物の実に75%にものぼります。排泄がスムーズに行われるには、蠕動運動が適切に行われていることが大切です。何らかの要因で、腸内の状態が悪く、蠕動運動がうまく行われないと、便秘になってしまいます。そうすると老廃物がいつまでも体内にとどまり、身体に害を及ぼします。
スムーズな排便を促し便秘を予防するには、実は「いつも同じ生活をすること」が一番です。不規則な、毎日ばらばらのパターンで生活していると、便秘になりやすくなります。
身近な例として、旅行があります。旅行に出ると便秘しやすくなるのは、いつもとは違う生活リズムになることで自律神経に乱れが生じ、腸の蠕動運動の妨げになるからです。
人間の消化吸収の仕組みは、自律神経によってコントロールされています。毎日決まった時間に食事を摂っていれば、身体がそのリズムに則って消化吸収の準備を始め、消化液がスムーズに分泌されたり、胃の運動が滞りなく行われたりするのです。
自律神経の働きを整えるためにも、規則正しい生活、特に規則正しい食事は重要です。何かと忙しい現代社会では、食事の時間をきっちり守るのは難しいものですが、できるだけ心がけましょう。
朝コップ一杯の水を飲んで「大腸」を刺激
また、便意をもよおしたときに、すぐトイレに行けず、我慢してしまうと、そのうちに便意がなくなってしまったという経験は、誰にでもあると思います。それが続くと、がんこな便秘になってしまいます。
トイレを我慢していると、直腸の入り口にある排便のセンサーが反応しにくくなり、便意をもよおさなくなってしまうのです。また、腸内にとどまっている便の水分が大腸内へ吸収されるために、便が硬くなり、いざトイレへ行っても出にくくなってしまいます。便意をもよおしたらすぐトイレに行くことが大切です。
朝起きたらすぐに、コップ一杯の水を飲むと、大腸が刺激されて便意をもよおしやすくなります。毎朝の習慣にすると良いでしょう。