DX促進を期待して採用も…実はパソコン操作が苦手!? 「Z世代」への効果的なマネジメント方法【人事コンサルが解説】

DX促進を期待して採用も…実はパソコン操作が苦手!? 「Z世代」への効果的なマネジメント方法【人事コンサルが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

1990年代後半に誕生したZ世代が、2020年代以降、徐々に社会参画しています。しかしそのなかで、Z世代の価値観を理解することができずに、マネジメントに苦戦している指導層も一定数いるのではないでしょうか。そこで本記事では株式会社識学の人事コンサルである新村恭平氏が解説します。

Z世代に対するマネジメントが必要な理由3選

Z世代に対するマネジメントが必要な理由は以下の3つです。

 

・DXが促進されるから
・新陳代謝を促せるから
・ブランディングに繋がるから

 

それぞれ詳しく解説していきます。

 

理由1:DXが促進されるから

Z世代はデジタルネイティブであり、前世代に比べて先進的なツールに敏感です。そのため、Z世代を組織・チームに取り込むことができれば、DXを促進できる可能性があります。

 

また、Z世代は学生の頃からSNSを使いこなしているので、デジタルマーケティングに対しても敏感です。組織のDXを進めたいのであれば、Z世代を組織に組み込んで、マネジメント手法を再構築するのがいいでしょう。

 

理由2:新陳代謝を促せるから

Z世代に対してマネジメントを実施することで、組織の新陳代謝を促せます。そもそもZ世代は、2023年時点の労働者の中で最も若い世代です。そのため、Z世代を積極的に活動させることは、新しい価値観を組織に取り入れることに繋がります。

 

しかし当然のことながら、Z世代の考え方をスムーズに受け入れられない従業員も一定数存在するでしょう。だからこそ、マネジメントで適切なバランスを見つけ出すことが重要なのです。

 

理由3:ブランディングに繋がるから

Z世代は社会的な責任や環境問題に敏感です。そのため、ただ利益を出し続ける企業ではなく、パーパス経営やエシカル消費を促す企業を求めます。Z世代を受け入れられるような取り組みを実施できれば、企業のブランディングや競争力を強化できるでしょう。

 

また、従業員の平均年齢で職場の雰囲気を読み取る人が増えています。若い職場の方が就活生に人気なので、採用のアピールにも繋がるはずです。

Z世代に対するマネジメント手法7選

Z世代に対して有効なマネジメント手法は以下の7つです。

 

・パースペクティブ・テイキングを実施する
・ベテラン社員のアンラーニングを実施する
・多様な働き方を提示する
・内発的動機を促す
・テクノロジーを活用する
・オーダーメイド型人材育成を実施する
・情報よりも体験を重視する

 

それぞれ詳しく解説していきます。

 

手法1:パースペクティブ・テイキングを実施する

まずは組織全体でパースペクティブ・テイキングを実施しましょう。パースペクティブテイキングは社会心理学で研究されている分野のひとつで、他人の見ている視点を自分の中に取り入れることを指します。つまり、Z世代の新しい考え方を取り入れるように努力するわけです。

 

もちろん、Z世代を完全に理解する必要はありません。Z世代を理解しようとする意思が、マネジメントに良い影響を及ぼします。

 

手法2:ベテラン社員のアンラーニングを実施する

ベテラン社員のアンラーニングを実施するのも良いでしょう。アンラーニングとは、保有しているスキル・知識のうち、有効でなくなったものを放棄することです。

 

時代遅れの知識に固執してしまうと、新しい価値観を自分に取り込みづらくなります。Z世代のことを理解する前に、まずは前世代の価値観を捨て去ってしまうことが大切です。

 

手法3:多様な働き方を提示する

Z世代は多様性に寛容で、仕事よりもプライベートを重視する傾向があるため、多様な働き方を提示するのがいいでしょう。フレックスタイム制やリモートワーク、週休3日制など、さまざまな働き方を提示することが大切です。また、このように多様な働き方を提示することは企業のブランディングにも繋がります。

 

手法4:内発的動機を促す

Z世代は新しい価値観を有している一方で、リスクを取って行動することを好みません。そのため、マネジメントで内発的動機を促す、つまりZ世代本人の内面からでた興味や関心、意欲によって、主体的に行動させることが大切です。

 

そのためにまず「目標」と「役割」を提示するのがいいでしょう。そしてプロセスには介入しすぎないようにすることで、Z世代特有の価値観を引き出します。Z世代の内発的動機を誘発させる環境づくりが求められています。

 

手法5:テクノロジー(スマホ)を活用する

Z世代はデジタルネイティブなので、前世代に比べて、新しいテクノロジーへの理解が深いと考えられます。むしろ紙媒体のマネジメントを億劫に感じるかもしれません。

 

そのためZ世代をマネジメントするのであれば、ITツールの活用は必要不可欠です。そして可能であれば、スマートフォンにも対応したITツールを導入するのが良いでしょう。Z世代はPCよりもスマートフォンのほうが扱いに長けているためです。

 

実際、スマートフォンのほうが「外出先でも仕事を進めやすい」というメリットもあります。Z世代が組織に入ったら、それと同じタイミングでDXをしっかり進めていきましょう。

 

手法6:オーダーメイド型人材育成を実施する

これまでの人材育成は、新入社員全体に画一的な教育を施すことがほとんどでした。しかしこれからは、1人ひとりにマッチした人材育成を提供するのがいいでしょう。Z世代は組織よりも個を重視するからです。

 

もちろん、オーダーメイド型人材育成は従来の方法よりも上司の負担が重くなります。しかしその一方で、個人に合わせた人材育成でなければやっていけない時代が到来するでしょう。DXを進めて効率化を図りながら、オーダーメイド型人材育成にシフトしていくことをおすすめします。

 

手法7:情報よりも体験を重視する

Z世代はインターネットやSNSに傾倒しているため、これまで以上に情報に溺れている人が多いと考えられます。「有名なカフェのことを知ってはいるけど、そのカフェには一切行ったことがない」という具合です。

 

そこでZ世代をマネジメントする際は、情報よりも体験を重視するのがいいでしょう。例えば人材育成では、Off-JTよりもOJTの割合を大きくします。情報だけでは理解できない部分を指導することが、Z世代のマネジメントで求められるポイントです。

Z世代には、1人1人に合ったマネジメントが必要

それでは本記事をまとめていきます。

 

・Z世代は1995年頃から2010年頃に生まれた世代
・Z世代はデジタルネイティブなのでテクノロジーに対しては比較的理解している
・Z世代は若い段階でいくつもの経済不況を目の当たりにしているので安定志向の人材が多い

 

ここまでZ世代の特徴やマネジメント手法を紹介してきました。しかしこれはあくまでも、Z世代の全体的な傾向に過ぎません。Z世代の中には、リスクをガンガン取りにいく人材もいれば、テクノロジーに明るくない人材もいます。だからこそ、一人一人にマッチしたマネジメントが常に求められているのです。

 

 

株式会社識学

 

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