苦労を共にした一人娘へ「年110万円」を17年間贈与したシングルファザー、死去…2年後、税務調査でペナルティ「480万円」の悲劇【税理士が解説】

苦労を共にした一人娘へ「年110万円」を17年間贈与したシングルファザー、死去…2年後、税務調査でペナルティ「480万円」の悲劇【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

子供の名義で作った口座へ生前贈与を行っていても、後の税務調査で多額の追加徴税が取られてしまうケースがあると、税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士はいいます。具体的にはどのようなケースでしょうか。本記事では、Aさんの事例とともに贈与の注意点について解説します。

コロナ明け、相続税の税務調査は増えていく

相続税の税務調査は他の税金と比べて調査になる確率が高く、多くの案件で財産漏れが指摘されています。コロナの影響で一時的に調査件数は少なくなっていましたが、今後は従来どおりの調査件数に増えていくものと考えられます。

 

調査で指摘される財産漏れの多くは、名義預金です。贈与しているつもりにならないように、贈与をしたい時はしっかり完結させるようにポイントを知ったうえで実行するとよいでしょう。

 

一番のポイントは、贈与を受ける本人が管理している通帳であることです。水道光熱費の引き落としや生活のために出し入れしている口座への贈与であれば、名義預金と指摘されることはありません。

 

名義預金とみなされないための対策

名義預金とみなされないための対策としては、以下の方法が挙げられます。

 

・本人が承諾している証拠として、贈与契約書を作成してそれぞれが管理している印鑑で押印して、それぞれが保管しておく。
・日ごろ使用していない口座や現金ではなく、本人が日ごろ使用している口座に振り込む形で客観的な記録を残しておく。
・口座開設をするときは受け取る本人が手続きをする。
・110万円を超えるような贈与として贈与税の申告をしておく。

 

お互いの気持ちが台無しになることがないように、贈与の正しい形を知って進めていくことがなにより重要です。

税務署はいつでも預金口座を調査できる

税務署がどうしてそのような通帳の存在がわかるのか、わからないケースもあるのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。相続人も気づかなかったというケースもよくあります。なぜ、家族も知らない預金が税務署にはわかってしまうのでしょうか。

 

税務署は本人の承諾がなくても預金口座を調査できるからです。本人だけでなく、家族の口座も調査対象になることもあります。金融機関は過去10年分の入出金データを保存していることが多いため、税務署は過去まで遡って確認することが可能です。

 

また国税庁や税務署では、納税者情報を管理しており、そこには給与や確定申告のデータが登録されているため、そこに記録されている所得状況と預金の状況を照らし合わせて調査をします。これにより不自然な預金の動きがあれば、一目でわかってしまうのです。

 

家族の大切な想いが苦い思い出になることがないように、大切に思うからこそ、正しい対策を進めていきましょう。

 

 

木戸 真智子

税理士事務所エールパートナー

税理士

 

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