「技術やアイデア」に強く、「仕組みづくり」に弱い日本
しかし、評価されているのは、生み出している技術やアイデアであって、残念ながらそれらを活用したビジネスモデルや、社会・顧客に提供している価値ではありません。実は、ここに大きな問題があります。
つまり日本の企業や個人は、技術やアイデアは革新的ですが、それを今の社会や顧客の課題・ニーズに合わせて提供する“価値”へと変換する仕組みづくりが、ほとんど進歩していないのです。
社会や顧客の課題・ニーズは大きく変わっています。良いものをつくれば売れるという時代は、すでに1980年代の段階で終わっています。それにもかかわらず、商品・サービスの形態や提供のしかたはここ何十年も変わっていません。
革新的な技術やアイデアが、「社会・顧客の価値」に到達しない
より掘り下げて考えてみましょう。日本の企業が、革新的な技術やアイデアを生み出しても、残念ながら「社会・顧客の価値」にまで到達できないケースが後を絶ちません。
経済産業省が平成27年度に実施した「企業・社会システムレベルでのイノベーション創出環境の評価に関する調査研究」で提示した定義によると、イノベーションとは以下の一連の活動を言います。
①社会・顧客の課題解決につながる革新的な手法(技術・アイデア)で新たな価値(製品・サービス)を創造し、
②社会・顧客への普及・浸透を通じて、
③ビジネス上の対価(キャッシュ)を獲得する。
日本の企業や個人は、①の革新的な手法(技術・アイデア)の創出までは行くのですが、そこでとどまっており、新たな価値(製品・サービス)を創造して、②の社会・顧客に普及・浸透させることで、③のビジネス上の対価(キャッシュ)を獲得することができていないため、イノベーションが最後まで完成せず、「ジリ貧」のスパイラルに陥っているわけです。
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