本部の目的は「売り上げを伸ばすこと」
もう1つ、本部からの情報だけに頼ってしまうと問題が発生します。本部が店舗のサポートを行う目的は加盟店の売り上げを上げることです。なのでサポートされる内容は売り上げを上げるためのノウハウが中心になることは仕方がないことです。
私が加盟するコンビニチェーンでは経営相談員になるために実務経験を積みますが、労働環境作りや従業員とのコミュニケーションの取り方などは、ドラッガーを学んだ訳でもカーネギーを学んだ訳でもなく、ほとんどの場合その経営相談員の自己流ですし、実務経験があったと言ってもほんの数年です。経営に関して間違いのないアドバイスができるかと言ったらそうとは言い切れません。
例えば、私の加盟するコンビニチェーンの経営は夫婦で経営することを基本としています。そして、近年複数店経営をされる方が増えてきました。本部は店舗経営のマニュアルを用意していますが、それはあくまでも1店舗を経営する時の作業マニュアルです。複数店経営のマニュアルというものは存在しません。
これには理由があって、複数店同士の物理的な距離や立地などでも経営の仕方というのは変わってくるからです。「絶対的な正解」というものを示すことが難しいため、マニュアルを作ることができないという側面があるのではないかと思います。
私も複数店経営に関して質問したことがありますが、適切なアドバイスをいただくことはできませんでした。
本部に不信感を持って経営することはおすすすめしませんが、信用しすぎることもおすすめできません。ですから、加盟店オーナー自らが経営者としての学びを欠かさない必要があります。
本部は商品開発やシステム開発などを提供するプロです。マニュアルを作ったり事例を多く持っていたとしても、お店を回すのはフランチャイズ本部ではなく加盟店です。加盟店オーナーは店舗運営のプロとして自ら経営を学ぶ必要があります。学びは欠かしてはなりません。
余談ですが、私は本から多くを学びます。私はもともと本を読む習慣はありませんでした。恥ずかしながら本を読む習慣ができたのはほんの10年ほどです。『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(ダイヤモンド社)が流行った時です。
「読んでみるか」と読み始めて衝撃を受けました。それまで自ら試行錯誤して積み上げてきた長年の成功の法則がそのまま書いてあったのです。本を読んだら成功の法則が分かりやすく早く入手できると実感しました。
それからというものビジネス書、自己啓発本、小説など自身のビジネスに関係あるものだけでなく関係のなさそうな本まで読むようになり、知識を蓄えています。
長瀬 環
大手コンビニフランチャイズオーナー
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