労働時間に文句のなかった自営業
労働基準法というものがあります。これは労働者を守る法律です。もちろん企業はこれを守らなければいけません。
私の幼少期には刺繍屋、機織り工場、八百屋、肉屋、自転車屋、駄菓子屋、銭湯に段ボール工場が50m圏内にあって、どこもみんな自営業でした。私の家も、自営の酒屋でした。
働いたら働いた分だけ儲かるビジネスをしている家庭が多かったです。みんな自営業ですから、労働時間にケチをつける人はいません。働き方に関しても文句は言われません。生活の糧となるお金の作り方は自分次第でした。
法令を守り社会に貢献していく成功
しかし、時代は変わりました。初対面の人に会うと昔は「どんなお仕事ですか」と聞かれましたが、今は「どちらにお勤めですか」と聞かれることも増えました。
こういった言葉からも、自らが仕事を持つ人よりも、どこかの会社組織に属している人が多くなったのが分かります。自営業者が多かったご近所さんも今ではほとんどが「会社員」となり、事業を営んでいる方は少なくなってしまっています。
この10年で見ても、2011年に757万人いた自営業主・家族従業者数が2021年には660万人に減っています。
一方で、雇用者数は2011年の5,512万人から2021年には5,973万人となり、増えています(労働力調査(基本集計)2021年平均)。もちろん、定年後も働く再雇用制度が定着してきたといった理由などもあり、雇用者数が増えているのでしょうけれど、自営業者が減ってきているという事実・トレンドにはなっているといえます。
こういった流れに沿って社会も変わってきました。
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