一定の要件を満たすことで対象となる宅地の評価額を最大80%減額できる「小規模宅地等の特例」。この特例が使えるか使えないかで、支払う相続税が千万単位で変わることも多々あります。今回は、その「小規模宅地等の特例は被相続人が老人ホームに入居していても適用可能なのか」について解説していきます。
小規模宅地等の特例の手続き方法を解説
小規模宅地等の特例の手続きをする前に、まず相続税の申告手続きを期限内に行わなければなりません。相続税の申告手続きは、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月です。
期限を過ぎてからでも申告できますが、その場合は延滞税や無申告加算税が課される可能性があるため注意が必要です。また、遺産分割が完了している必要があります。
遺産分割が完了していない場合、小規模宅地等の特例を適用せずに相続税を納付しなければなりませんが、申告期限から3年以内に遺産分割が完了すれば特例の適用が可能です。遺産分割が完了した日の翌日から4ヵ月以内であれば、納めすぎた相続税をあとから請求できます。
特例の手続きは、管轄の税務署に対して行います。申告から手続き完了までに日数を要すものではなく、必要書類を揃えて提出し、不備がなければ手続きはそこで完了です。何かしら不備があれば税務署から連絡がくることはありますが、連絡がなければ通ったと判断して問題ないでしょう。
小規模宅地等の特例が使えるか困ったら
老人ホーム入居後に小規模宅地等の特例が適用できるかどうかについてや要件、添付書類について解説しました。
小規模宅地等の特例は、適用できるかそうでないかによって評価額の減額率が大幅に変わります。特例が適用できるかどうかわからない場合は、専門家に相談することもひとつです。
相続診断士であれば、小規模宅地等の特例についてアドバイスをもらえるほか、必要であれば他の専門家も紹介してもらえます。一度検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社サステナブルスタイル
後藤 光
株式会社サステナブルスタイル
代表取締役
株式会社サステナブルスタイル代表。遺品整理の現場で残された家族の姿をたくさん見てきた経験から、明らかに「円満なご家族」と「不穏な空気のご家族」に分かれることに気がつき「円満な相続」を迎えるために何ができるだろう、と考えたことをきっかけに、2022年8月10日、23篇に及ぶ相続に関する実話を紹介する本「もう会えないとわかっていたなら」を出版。Amazonの日本文学(日記・書簡)カテゴリで1位を獲得。同書籍の抜粋転載記事は、Yahoo!ニュースのライフカテゴリでアクセス数1位を記録。
相続終活のWebメディア「円満相続ラボ」を運営し、相続を円満に終えるために必要なノウハウを発信している。
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連載相続・終活の疑問を解決!円満相続にたどり着く方法を具体例とともに徹底解説
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円満相続ラボは「全ての家庭に、相続の『かかりつけ医』を。」をコンセプトに、相続終活の情報発信を通じて、争う相続を減らし円満相続に貢献することを目的としている相続終活のWebメディア。まだまだ相続について詳しくない方が多い中で「円満相続ラボ」を通じて、相続の「こんなはずじゃなかった」を減らしていくために日々情報発信を行なっている。
相続終活に関する情報提供はもちろんのこと、コラムを読んでくださった方が抱えている課題に合った相続の専門家の派遣も行っている。
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運営:株式会社サステナブルスタイル
協力:株式会社スタルジー
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