(※画像はイメージです/PIXTA)

電気代が高騰するなか、9月に電気代等の「負担軽減策」が終了します。しかも、消費税の「インボイス制度」が2023年10月から施行されると、さらなる電気代の値上がりが見込まれます。どういうことでしょうか。問題点とともに解説します。

電気代の値上げ予想は「総額58億円」

それによって、電気代の値上げは「総額58億円」になると試算されています。

 

内訳は、2023年2月17日の衆議院財務金融委員会での資源エネルギー庁長官の答弁によると、以下の通りです。

 

・10kW/h未満の太陽光発電設備:15億円

・10kW/h以上の太陽光発電設備:39億円

・その他の再生エネルギー:4億円

 

これを基に試算すると、「1kW/hあたり0.007円」の値上げになるとのことです。

 

ただし、この試算はあくまでも「機械的に行ったもの」ということなので、実際にインボイス制度が施行されると、この金額はさらに大きくなる可能性も考えられます。

他の事業者との間で「不公平」との指摘も

「電気代の値上げ」で対応することについては、他の事業者との間の公平を欠くのではないかという問題点も指摘されています。

 

インボイス制度の施行によって、免税事業者との取引で「仕入税額控除」ができなくなるのは大手電力会社だけではありません。それなのに、大手電力会社についてだけ、「電気料金の値上げ」という形で損失の補てんを行うのは、公平性を欠くのではないかと指摘されているのです。

電力会社にすべての「損失」を負わせることにも問題がある

他方で、電力会社の損失はインボイス制度によって発生するものであり、電力会社には一切責任がありません。

 

しかも、FITの制度においては、電力会社は余剰電力を買い取る法的義務を負っています。つまり、電力会社には、「買い取らない」という選択肢がないのです。

 

したがって、電力会社の損失について、何らかの形でカバーすべきという理屈も、成り立ちえます。

当局の見解は?

パブリックコメント(意見公募手続き)において、多くの人から、電気代の値上げで解決するべきではないとの意見が寄せられました。これに対し、経済産業省・資源エネルギー庁は、以下の回答を示しています。

 

【経済産業省・資源エネルギー庁の回答】

「法律に基づく再エネ電気の買取業務を行う中で、仕入税額控除ができないことにより、やむを得ず生じる、買取に要する追加的な費用については、法律に基づく再エネ電気の買取業務の継続が困難とならないよう、資源エネルギー庁審議会における公開の議論を経て、2023年度についてはFIT制度において対応することが取りまとめられました。今般の改正内容は、こうした審議会における取りまとめを尊重したものとなります。」

 

「引き続き、課税事業者のインボイス登録に関する周知等を通じて、インボイス制度の導入に伴う買取に要する費用への影響の抑制に取り組むとともに、2024年度以降の負担のあり方については、審議会での議論を通じて丁寧に検討してまいります。」

 

いずれにしても、インボイス制度が施行されれば、電力会社に発生する損失を誰がどのようにして負担するのかという問題が発生します。

 

国会・政府には、できるだけ多くの国民の納得を得られ、かつ、電力会社に過大な負担を負わせないような解決策を講じることが求められています。

 

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